ポータブル電源に興味が湧いてきた方の中には、「どのような機能があるのかわからない」、「使い方や仕組みを知りたい」など、基本知識を把握しておきたい方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ポータブル電源の基本知識や選び方、おすすめの製品についてわかりやすく解説します。
キャンプや防災用にポータブル電源が欲しい方や初めてポータブル電源を購入する方などは、ぜひ参考にしてみてください。
ポータブル電源の基本知識
ポータブル電源は、モバイルバッテリーと容量などに大きな違いがあります。しかし、初めて購入する方にとっては、どのような違いや特徴があるのかわかりにくいところです。
まずは、ポータブル電源の基本知識として定義や特徴を確認していきましょう。
容量が大きいものの持ち運び可能な蓄電池
ポータブル電源とは、製品本体に充放電機能を搭載し、かつ持ち運びが可能なバッテリー(蓄電池)のことです。
また、蓄電容量や出力が大きいため、スマートフォンなどの電子機器や小型機器だけでなく、冷蔵庫や扇風機などといった家電製品を稼働させられます。
ポータブル電源のサイズは縦・横30㎝前後で、自宅の空いたスペースや車内に収納・設置することも可能です。重量については小型タイプで10kg前後、大容量タイプで20kg以上と幅広い傾向といえます。
利用シーンはさまざまで、キャンプや車中泊のほか、自宅でも有効活用できます。
モバイルバッテリーとの違いは容量とサイズ感
ポータブル電源とモバイルバッテリーの大きな違いは、蓄電容量とサイズ・重量です。
前段で触れたようにポータブル電源のサイズは、縦・横30㎝前後で設計されています。重量は、小型タイプで10kg以上、大容量タイプで20kg以上と持ち運べるものの重く感じる水準といえます。
一方、モバイルバッテリーは、手のひらに収まる程度のサイズ感で、数100gと軽量コンパクト設計です。
蓄電容量については、ポータブル電源の方が大容量です。家電製品を何時間も稼働させられる性能があり、キャンプや停電対策としても役立ちます。
モバイルバッテリーの蓄電容量は、ポータブル電源に対して10分の1程度と小さく、かつ出力も小さい傾向です。そのため、電力を供給できるのは、スマートフォンなどの小型電子機器のみとされています。
ポータブル電源に使用される電池の種類
ポータブル電源に搭載されている電池は、主にリチウムイオン電池とされています。また、使用されているリチウムイオン電池は2種類にわかれており、性能に違いがあります。
具体的には、三元系のリチウムイオン電池とリン酸鉄リチウムイオン電池の2種類です。
安全性の高いリチウムイオン電池は後者のリン酸鉄リチウムイオン電池で、寿命の長さという点でも優れています。
安全性や耐久性といった点を重視する場合は、カタログなどから搭載されているリチウムイオン電池の種類を確認しておきましょう。
ポータブル電源の容量と単位
ポータブル電源の定義に関する基本知識を把握したあとは、性能を比較する上で重要なアンペアなどの単位や容量について確認していきましょう。
アンペアやボルト、ワットなどは、用途に合ったポータブル電源を探す上で役立つ基本知識です。
アンペア(A)
アンペア(A)とは、電気の流れる量を指す単位(電流)のことです。
水にたとえると水路に流れている水量が、アンペアに相当します。1度に流れる水の量=電気の量が多ければ多いほど、その分消費電力も増えていきます。
また、1時間に流れた電気の量は、Ahという単位で示されます。
なお、ポータブル電源においてAhは、蓄電容量(電池の容量)を指す単位です。カタログなどには、1,000Ahなどといった表記で記載されています。
ボルト(V)
ボルト(V)とは、電気をどれだけの力で流せるのかを表した単位(電圧)のことです。
水にたとえると水の流れる強さ・勢いが、ボルトに相当します。 ボルト数が高ければ高いほど、消費電力も増えていきます。
ちなみに家電製品などの機器や住宅設備は、100Vもしくは200Vで稼働します。そのため、ポータブル電源では、100Vもしくは100V/200Vで電気を流せるよう設計されています。
ワット(W)
ワット(W)とは、どれだけ電気を消費したのか(消費電力)を表した単位のことです。
消費電力量を計算したいときは、アンペア(A)×ボルト(V)という計算式で求められます。
家電製品や電子機器などさまざまな機器類や設備には、消費電力があります。たとえば、500Wの家電製品を稼働させるためには、少なくとも出力500W以上の電源設備がなければいけません。
ポータブル電源を選ぶときは、出力がどれだけあるのか確認した上で検討することが大切です。
ワットアワー(Wh)
ワットアワー(Wh) は、1Wの電力を1時間消費したときの電力量を指しています。
前段で紹介したAhと似た単位ではあるものの、意味が異なります。
ワットアワー(Wh) |
1Wの電力を1時間消費したときの電力量 |
アンペアアワー(Ah) |
1時間に流れた電気の量 |
主に定置用蓄電池(家庭用蓄電池や産業用蓄電池)や一部のポータブル電源は、○○Whという表記で蓄電容量が表されています。
ワットアワーで蓄電容量を確認したいときは、アンペアアワー(Ah)×ボルト(V)という計算式で求めることが可能です。たとえば、100Ah×3.6Vなら、3,600Whの蓄電容量ということがわかります。
ポータブル電源の入力ポート
ポータブル電源における入力ポートは、外部電源から充電を行うために必要な端子です。家庭用のコンセントから充電したいときは、AC100V電源用の入力ポートへ接続する必要があります。
入力ポートの種類が豊富であればあるほど、さまざまな環境で充電を行うことが可能です。そのため、入力ポートの種類と数は、ポータブル電源を選ぶ上で重要なポイントといえます。
それでは、ポータブル電源の主な入力ポートを解説していきます。
AC100V電源からの入力
一般的なポータブル電源には、AC100V電源から充電できるようAC100V用の入力ポートが用意されています。家庭用のコンセントから充電するためには、AC100Vの入力ポートが必要です。
具体的には、AC100Vの充電アダプターが付属しており、専用アダプター経由でDC(直流の電気)へ変換しながら充電を行います。中には、ポータブル電源の内部でDCへ変換できるタイプもあるため、付属品の種類について確認しておくことが大切です。
ソーラーパネルからの入力
ポータブル電源は、ソーラーパネルからの入力に対応しているケースが多いです。
ソーラーパネルとは、日光を吸収し、電気へ変換してくれる発電設備のことです。特に停電時や長時間電気を使用したいとき、電源設備のない場所で電気を活用したいときは、ソーラーパネルが役立ちます。
そのため、発電機器も欲しい方は、ソーラーパネル対応のポータブル電源から比較検討を進めていきましょう。
USBからの入力
ポータブル電源の中には、USBの入力ポートが搭載されたタイプも販売されています。
中でもUSB Type-CでPD充電(急速充電可能な規格)対応の入力ポートがあれば、ACアダプターを紛失したり破損したりといった状況でも充電を行えます。また、変換ロスが少ないため、スピーディかつ効率的に充電できるのも強みのひとつです。
効率的な充電や充電方法の多いポータブル電源を探している方は、USBポートの規格や有無を確認しておくことをおすすめします。
シガーソケットからの入力
ポータブル電源によっては、シガーソケットからの入力に対応している場合があります。シガーソケットは、車載バッテリーに貯められた電気を取り出すための端子です。
車内から電力を供給できるため、アウトドア好きな方などにはメリットが多い機能といえます。また、災害などで車中泊しなければいけなくなった場合は、シガーソケットからの入力でさまざまな機器を動かせます。
電気自動車の充電設備
ポータブル電源によっては、電気自動車用の充電設備から入力可能なポートも搭載されています。
電気自動車とは、電気で走行する車両のことです。そのため、専用の充電設備を通して、充電を行わなくてはいけません。普通充電器は、家庭用コンセントと接続できるほか、ACアダプターよりも短時間で充電できるのが特長です。
より短時間で充電したい方は、電気自動車の充電設備に対応した入力ポートがあるかどうか調べてみましょう。
ポータブル電源の出力ポート
ポータブル電源に貯めた電気を使用するためには、出力ポートと接続しなければいけません。また、出力ポートの種類はポータブル電源によって異なるため、使用したい機器やケーブルに対応しているかどうか確認しておくことが大切です。
一般的には、AC100V電源用のコンセントをはじめ、USBポート、DC(直流)ポート、シガーソケットなどが搭載されています。
ポータブル電源を選ぶ際のポイント
ポータブル電源を選ぶときは、蓄電容量(充電容量)やサイズ以外のポイントについても注目することが大切です。
ここからは、ポータブル電源を選ぶ際に押さえておくべきポイントを紹介します。
PSEマークがあるか確認する
ポータブル電源を選ぶ際は、まずPSEマークが記載されているかどうか確認しておきましょう。
PSEマークとは、電気用品安全法で定められたマークのことです。つまり、PSEマークが貼られている場合は、一定の安全性を満たした製品として認識できます。
ポータブル電源本体は、PSEマークの対象外とされています。ただし、付属品のACアダプターについては、PSEマークが必要です。
充電しながら使用する場合はパススルー方式を選ぶ
ポータブル電源へ充電しながら、電気を使用したいときは、パススルー方式の製品から比較検討を進めていきましょう。
パススルー方式とは、ポータブル電源へ充電しながら本体に貯めた電気を使用できる構造のことです。たとえば、AC100V電源で充電しているポータブル電源から、USBポート経由で電気を取り出すことが可能です。
パソコンなどへ供給する場合はUPS機能付きを選ぶ
瞬停に備えたい方やパソコンなどの精密機器にポータブル電源を使用する方などは、UPS機能付きの製品から検討してみるのがおすすめです。
UPS(Uninterruptible Power Supply)は無停電電源装置の略称で、停電時でも一定の電力を供給し続けられる装置を指しています。通常のポータブル電源は、停電時に使用できるものの瞬時に切り替えられません。そのため、一瞬電力が途絶えたり乱れたりしてしまいます。
このような瞬間的な電源障害は、精密機器にダメージを与えてしまう可能性もあり注意が必要です。UPS機能付きポータブル電源の場合は、停電などが起きた場合でも継続的に電力を供給できるため、パソコンなどの精密機器を使用する方に大きなメリットといえます。
ポータブル電源と停電対策について知りたい方は、「ポータブル電源でできる災害対策」こちらも参考にしてみてくださいね。
充電時間を確認する
ポータブル電源を日常的に使用する場合は、充電時間を確認しておきましょう。
特に大容量タイプのポータブル電源は満充電に時間がかかるため、すぐに使用したい・スピーディな充電を求めている場合に大きな課題です。
そこでポータブル電源を選ぶ際は、高速充電に対応しているか、何時間で満充電となるか確認する必要があります。
サイクル数の多い製品から検討する
少しでも長く使用するためには、ポータブル電源のサイクル数を確認しておきましょう。
サイクル数とは、容量0%の状態から100%まで充電し、再度0%まで使用した状態を指します。サイクル数の多いポータブル電源は、その分寿命が長く、長期間使用できることを示しています。
リチウムイオン電池の平均的なサイクル数は、500~3,000回とされています。
ポータブル電源の選び方についてさらに知りたい方は、「失敗しないポータブル電源の選び方」こちらも参考にしてみてくださいね。
おすすめのポータブル電源を紹介
BLUETTI AC180は、容量1152Wh、出力1800Wの大容量・高出力ポータブル電源です。
リチウムイオン電池の中でも寿命の長いリン酸鉄リチウムバッテリーが採用されており、サイクル数3,500回を超えても充電容量80%以上の状態を持続してくれます。また、1日に1回充放電を行う場合は、10年以上使用し続けられる長寿命設計です。
0%から80%まで充電する場合は、わずか45分で完了します。すぐに電気が必要なときでもスピーディに使用できるのは、BLUETTI AC180の大きな特長といえます。
出力は1,800Wなので、車用冷蔵庫、エアコンやヒーター、電子レンジなどへ給電することも可能です。普段使いとしても活用しやすく、キャンプでも頼りになる高出力設計が強みのひとつです。
入力ポートのひとつはソーラーパネル用で、出力500Wまで対応できます。高出力のソーラーパネルと併用したい方にも嬉しいポイントです。また、AC出力は4ポートと豊富で、さまざまな機器へ同時に給電できるよう設計されています。
内部にはUPS機能が搭載されており、瞬停や停電時でも精密機器を保護できます。キャンプ中にパソコンを使用したい方、停電対策として電源を導入したい方などにもメリットがあります。
サイズは長さ 340 mm x幅 247 mm x 高さ317 mm、重さはわずか 17 kgとコンパクトです。また、取っ手が付いているため、持ち運びやすさという点でも優れています。
蓄電容量1,000Wh以上、出力1500W以上のポータブル電源を探している方は、特に利用すべきおすすめの商品です。
まとめ
ポータブル電源は、製品本体に充放電機能を搭載し、かつ持ち運びが可能なバッテリー(蓄電池)を指しています。モバイルバッテリーより容量が大きいため、電子レンジや冷蔵庫、エアコンなどを稼働させたいときにもぴったりです。
ポータブル電源の基本知識を身につけた上で選びたい方やポータブル電源に興味がある方は、今回の記事を参考にしながらBLUETTIのポータブル電源システムを検討してみてはいかがでしょうか?
BLUETTIでは、さまざまな種類のソーラーパネルやポータブル電源、バックアップ電源などを販売しております。どれも持ち運び可能な設計なので、アウトドア好きな方にもおすすめです。
また、ポータブル電源は高速充電、専用アプリとの連動など、多彩な機能が盛り込まれています。
お気軽に公式サイトで各種製品を拝見してみてください。