災害時にテレビで頻繁に耳にする「ポタ電」。この言葉は「ポータブル電源」の略であり、蓄電池にコンセントやUSB端子が装備されている、非常に便利なデバイスです。本記事では、ポタ電がどのようなものなのか、なぜ多くの人々に注目されているのか、さらには選び方に至るまで、詳細に解説します。
「ポタ電」とは?
ポータブル電源、通称「ポタ電」は外出先や災害時にも電力を提供できる携帯可能な電源装置です。一般的なモバイルバッテリーと違い、大容量のバッテリーと多機能性を持ちます。その多くにはACコンセントが搭載されており、スマートフォンから家電製品まで広範な用途で活用できます。
具体的には、キャンプ場でスマホを充電したり、停電時に照明を確保したり、ソーラーパネルと併用して電気料金を削減することも可能です。
モバイルバッテリーとの違い
モバイルバッテリーとポタ電の大違いは、ACコンセントの存在にあります。ポタ電にはこのコンセントが備わっており、家電製品も充電できる多機能性を持っています。同時に複数のデバイスの充電が可能で、そのバッテリー容量はモバイルバッテリーの数倍。
冷蔵庫、テレビ、スマホを一台のポタ電で動かせる製品が存在します。さらに、高出力家電も扱える製品もあるため、エアコンや電子レンジ、電気ケトルのような家電も稼働可能です。
発電機との違い
発電機と比べて、ポタ電には燃料の必要がなく、起動音も静か。おかげで近隣を気にすることなく、室内でも活用できます。
軽量かつコンパクトな設計で排気ガスも発生しないため、メンテナンスの手間は少なくなります。停電が起きた際も室内で安全に使用可能な点が大きな特長。特に庭のないマンションでの生活には、理想的な選択肢と言えるでしょう。
ポタ電がなぜ注目されているのか?
近年、ポータブル電源「ポタ電」が多様な用途で注目を集めています。台風などの災害時に、ホームセンターや家電量販店で急速に売れていると報道されることもあり、その存在が広く認知され始めています。
災害時の信頼性、日常生活での電気代節約、そしてコンセントがない場所での利便性といった多岐にわたるメリットがあります。以下では、ポタ電がなぜこれほどまでに注目されているのか、その理由と具体的な用途について詳しく解説します。
災害時の信頼性
ポータブル電源、いわゆる「ポタ電」は、災害時にも非常に有用な機器と言えます。特に、停電が頻発するような災害状況でも、持っていることで即座に電力を供給できるため、その必要性が高まっています。
具体的な使い道としては、地震や台風後の停電で照明を確保したり、通信手段を維持したりできます。SNSが利用可能であれば、助けを求める情報発信や最新の緊急情報を確認することもできます。
一部の高性能な製品では、エアコンや電子レンジ、電気ケトルも動かせるため、特に夏場の猛暑で高齢者や子供、ペットがいる家庭にとっては非常に重要な機能となります。
電気代・燃料費の節約
ポタ電は、単なる非常用電源としてだけでなく、電気料金を節約する用途にも活用できます。多くの電力会社が提供する夜間割引プランなどを活用して、ピーク時以外にポタ電を充電することで、電気料金を削減することが可能です。
例えば、夜間に電力を充電しておき、昼間はその電力を用いて家電を動かすという運用が考えられます。さらに、ソーラーパネルと組み合わせることで、更なる節電が可能です。
失敗しないポタ電の選び方
ポタ電は停電やアウトドア、非常時に大変便利なアイテムです。しかし、選び方を間違えると、期待した性能を発揮できない場合もあります。この章では、失敗しないポタ電の選び方を詳しく解説します。
バッテリー容量の重要性
バッテリー容量はポタ電の選定で非常に重要です。その根拠は、使用する家電製品の出力レベルによって、求められる容量が変わるため。例えば、停電時にエアコンを2時間以上使いたい場合、必要な容量は少なくとも2000Wh以上になります。
このような目安を理解すると、選定作業は格段に明確に。BLUETTI EB3Aのバッテリー容量は268Whで、スマートフォンには12〜15回程度の充電が可能となっています。
ポタ電の必要な容量を確認しましょう
具体的な容量の計算方法を知っておくと、ポータブル電源の選び方で失敗がありません。なぜなら、購入後に容量不足で使い物にならないという事態を避けられるためです。また、後から容量を足すのが一般的には難しいため、拡張バッテリーで増設できるものを選ぶのもおすすめ。
計算方法としては、例えば冷蔵庫(150W)を3時間使用する場合は、150W×3×1.2の計算式になります。この1.2をかける理由は、バッテリーはDCで蓄電していますが、使用する際にはACに変換する際に電力変換ロスがあるからです。
家庭用エアコンやIHなど出力が高い家電を使うときは出力も必要
家庭用エアコンやIHヒーターといった高消費電力の家電を使用する際は、大容量のポータブル電源を選ぶ必要があります。これらの家電が多くの電力を要するためです。もし家電の出力がポータブル電源の出力を上回ると、稼働させることができない可能性も考えられます。
例えば、エアコンが700W、電気ケトルが1200W、ドライヤーが1100W、炊飯器が700Wなど、それぞれの家電に応じて必要な出力があります。「ポータブル電源で使える家電リスト!快適な生活を手に入れよう!」では、詳細なポータブル電源で使える家電リストがありますので参考にしてください。
搭載されているバッテリーの種類も大事
バッテリーの種類には主にリチウムイオンバッテリーとリン酸鉄リチウムイオンバッテリーがあり、その選び方もポータブル電源の性能に大きく影響します。
項目 | リン酸鉄リチウムイオン | リチウムイオン |
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安全性 | 発火や爆発のリスクが非常に低い | 熱暴走のリスクがある |
長寿命性 | 充放電サイクルが2500回以上、10年以上の使用可能 | 充放電サイクルが700回程度 |