最近「バンライフ」という言葉をよく耳にするようになったと思いませんか?
「バンライフ」とは、自動車の1車種である商用バンに生活の拠点をおいて生活するライフスタイルで、元ラフルローレンのデザイナーだったフォスター・ハンティントンによって提唱されました。
ある時、フォスター・ハンティントンは仕事をやめ、自宅を捨てて、忙しい日々から解放されるために必要最低限の品物をバンに積み込んで旅に出かけ、その様子をTwitterやInstagramに「#VANLIFE」というハッシュタグをつけて公開しました。
そのオシャレで自由なライフスタイルが若者を中心に多くの人の共感を得て世界中で大流行することとなり、今日に至ります。
今回は、そんな「バンライフ」を取り上げます。「バンライフ」の言葉の意味や、車中泊との違い、バンライフに必要なアイテムなどを紹介します。
バンライフってなに?
バンライフとはどのようなライフスタイルなのでしょうか。
車中泊との違いや、バンライフのメリットや注意点などをまとめます。
車中泊とバンライフの違い
車中泊とバンライフ、似ているけれど厳密には何が違うのでしょうか。
平たく言えば「車中泊」は文字通り車内で眠ることです。つまり、車中泊は車内で眠る「行為」「行動」を指す言葉です。
車中泊はドライブ途中の仮眠ではないので、運転席のシートバックを倒して眠る等ではなく、フルフラットなベッドでマットや寝袋などを使って、しっかり安眠することを指します。
一方「バンライフ」は、バン車内で生活することを指しますが、生活する行為そのものより、そのライフスタイルを表す言葉です。フォスター・ハンティントンによって提唱されたオシャレで自由なライフスタイルを指す言葉です。
バンライフのメリットと注意点
バンライフがこれほど人気を得るのには理由があります。
バンライフを実践するとどんなメリットが得られるのでしょうか。そして、その裏にはどのような注意点があるのでしょうか。
自由で制約の少ない生活が送れる
1か所に定住せず、好きな時に好きな場所に移動して生活できるので、何より「自由」である点が、バンライフの一番のメリットと言えます。
仕事にもよりますが、起床時間も就寝時間も自由で、その日、何をするかも自分で決めることができます。
反面、あまりに制約がないので、自分を律することができないと自堕落な毎日を送ることになってしまう可能性がありますが、それもまた自分自身の選択の結果です。
快適な日常
バンライフでは、大自然の中で朝を迎えるなど非日常なできごとを日常的に味わうことができます。
小鳥のさえずりを聞いたり、せせらぎに足を浸しながらリモートワークしたり、リスなどの小動物がおやつの分け前をねだりにくるなど、都会に生活していては味わえない非日常に頻繁に触れることができます。
しかし一方では、真夏・真冬には厳しい自然の中で生命が危険に晒される可能性もないとは言えません。また、自然の中で暮らすと言うことは、動物との接触による危険や、悪意の人物との遭遇など身に危険が及ぶ可能性も考えておく必要があります。
生活コストが割安
どのような食事をするか、入浴をどうするかなどで大きく変動しますが、都会のマンションで暮らすより、生活コストは抑えられるという声をよく耳にします。
ただ、車両なのでどうしても走行するための燃料供給は欠かせず、エネルギーコストの上昇は生活の収支に大きく影響を与えることがあります。
週末バンライフのすすめ
毎日の生活を車内で送るのは誰にでも実現できることではありませんが、週末だけの車内生活だって充分「バンライフ」と言えます。
金曜の夜から土日の週末の期間だけ「バンライフ」を楽しむ『週末バンライフ』なら手軽に実践できます。
バンライフにはどんなクルマが使える?
「バンライフ」と言う限りは、ハイエースやタウンエース、軽バンといった商用バンでなければいけないと思いがちですが、特に車両の種類は問いません。
バンライフ向けに改造しやすいので、ハイエースやタウンエースが使われることが多いだけで、バンライフに決まった車種はありません。
キャンピングカー
キャブコン(※)やトラコン(※)などと呼ばれるいわゆるキャンピングカーでも「バンライフ」を実践することが可能です。
最低限のアイテムでシンプルな生活を目指すという点では、少し本来のスタイルから逸脱しているように感じますが、バンライフは車両での生活を楽しむスタイルなので、豪華装備のキャンピングカーであっても、車での生活を楽しめれば充分にバンライフと言えるでしょう。
※キャブコン…キャブオーバートラック(エンジンの真上に運転席キャビンがある構造のトラック)をベースに居住空間のシェルを架装したコンバーション(換装)車両をキャブコンといいます。
※トラコン…トラックをベース車に居住空間のシェルを架装したコンバージョン車をトラコンといいます。
バンコン
商用バンの外観は改造せず、荷室に車中泊が可能なベッドやサブバッテリーや冷蔵庫・シンクなどの簡易的な装備を積み込んだコンバージョン車。
商用バン・ワゴン車
バンコンのベース車となる商用バンに大掛かりな改造を加えず、マットや寝具を持ち込んで車中泊をするだけでも充分に「バンライフ」を実践できます。
商用バンの乗用バージョンのワゴンでもシートがフルフラットになればマットと寝具を持ち込んでバンライフを実践することができます。車種によっては「ベッドキット」等も販売されています。
乗用車(ステーションワゴン・SUV・ミニバン)
5ナンバー・3ナンバーのステーションワゴンやSUV、ミニバンなどの乗用車でもバンライフは実践可能です。後席を倒してフラットな状態にできればマットや寝具で充分快適なベッドにすることが可能です。車種によっては「ベッドキット」等も販売されています。
週末バンライフに最低限必要なアイテムとは
週末バンライフを始めるにあたって、最低限揃えておいた方がよいアイテムを紹介します。
・マット・寝袋・毛布
筆者は「快眠できたら車中泊は概ね成功」と考えているので、マットと寝具はしっかりしたものを用意すべきだと考えます。
マットは5〜8cmのインフレーターマットと、春~秋は3シーズン用寝袋(冬季は冬季用)は必須です。その他に、断熱マットやインナーシュラフ、毛布などがあれば完璧です。
・最低限の食器とカトラリー
食事をつくるにしても、テイクアウトを購入するにしても、皿やカップ、箸、スプーンなど最低限の食器とカトラリーが必要です。
はじめは紙製の使い捨て食器でもよいと思います。徐々に車中泊の幅を広げるに従って、調理器具や食器・カトラリーも充実させてゆけばよいでしょう。
・ポータブル電源
キャンピングカーやバンコンには居住スペースで使用する電力を供給するための「サブバッテリー」が搭載されていますが、商用バンや乗用車での車中泊の場合には、絶対に車両のメインバッテリーを車中泊時に使用してはいけません(エンジン始動できなくなります)。
サブバッテリーのない車両で車中泊する際には、市販のポータブル電源を用意することをおすすめします。スマホやランタンの充電、調理や暖房など様々な場面で必要な電力を供給します。
一泊の車中泊であれば、400〜500Wh程度の電力が確保できれば充分でしょう。
【おすすめポータブル電源】BLUETTI AC70
BLUETTI AC70は、コンパクトなボディで携帯性に優れ、768Whの容量と定格1,000W/最大2,000Wの高出力を備えています。
車中泊でのポータブル電源の使途は、スマホやLEDランタンの充電は最も多い使途ですが、それ以外にも、夏場は扇風機、冬場は電気毛布など車中泊でよく使われる家電への給電にも対応します。
いずれも50~60W/1h程度の電力を消費しますが、768Whの容量を持つAC70であれば、最大10~15時間も運転することが可能なので、快適に就寝することが可能です。
また、電力リフト機能によって消費電力2,000Wまで対応可能なため、1,000~1,500Wクラスの家庭用電子レンジや電気ケトルを車内で使用することも可能です。
電子レンジや電気ケトルは、消費電力は大きいですが使用時間が短いため、1,000Wクラスの製品の場合、延べ45分間も稼働させることが可能です。1泊の車中泊であれば充分な容量と言えます。
・家電製品
電気毛布、扇風機、電気ケトル、電子レンジ、炊飯器、ホットプレート、電気鍋などがあると、車内での生活を快適にし、食事作りを容易にすることができます。
ランプやバーナーなど、車内での火気の使用は「一酸化炭素中毒」「酸欠」の危険性が高いので初心者は避けるべきです。安全に温かくしたり食事を作るのであれば「電気」はかかせません。 |
バンライフまとめ
毎日大自然の中で目覚め、眠るまで自然の中で自由にのびのび暮らせたらどんなに素敵でしょうか。豪華なキャンピングカーでなくても、専用設計のバンコンでなくても、クルマの種類に関わらず、クルマでの生活を楽しめば、それはすなわち「バンライフ」です。
バンでの生活に「電源」があれば、もっとバンライフを豊かに快適にすることが可能です。
夜に灯りを灯し、温かい食事と飲み物に癒され、好きな動画を見たり音楽を聴いてリラックスしたり、涼しく(温かく)快適に眠るなど、電源があれば簡単に叶えることができます。バンライフにぜひポータブル電源をお供させてはいかがでしょう。