災害への備え、していますか?
南海トラフ地震や首都直下型地震は必ず起こると言われていますし、ここ数年、温暖化による台風の大型化によって多くの被害が発生しています。
地震や台風などの災害に遭った際に自らと家族の生命や安全を守る備えが必要です。
今回は、身近な「100円均一ショップ(以下100均と表記)」で揃えられるおすすめ防災グッズを紹介します。
防災備蓄・防災グッズ
「防災備蓄」というと飲料水や食料品を指すような印象がありますが、災害発生時に生命と安全を守るための「備え」はすべて備蓄であると言えます。
防災グッズは防災備蓄の一部で、「グッズ=物品」つまり災害を乗り切るための道具を指し、飲料水・食料品と合わせて「防災備蓄」とするのが一般的です。状況によって、外出先での被災時向けに常に携帯しているものを「防災グッズ」という場合もあります。
防災備蓄には4種類の備蓄がある
内閣府「防災情報のページ」によれば、防災備蓄には4種類あるとのことです。
・一次品…災害発生直後を乗り切るための最低限の備え
・二次品…災害発生から3日間(72時間)を生き延びるための備え
・三次品…長期化する避難生活をできるだけ快適にすごすための備え
・常備品…外出時の災害に備える防災グッズ
一次品~最低限の災害への備え
画像出典:内閣府防災情報のページ
「1次品」とは、緊急避難時にすぐ持ち出すものを指します。いわゆる「非常持ち出し袋」に常備しておく備蓄品で、災害発生直後を乗り切るための最低限の飲食物や防災グッズです。
具体的には「防災ベスト」とヘルメットを用意します。防災ベストのポケットに当面必要な防災グッズを入れて、玄関などに常備しておくと良いでしょう。家族の人数分を用意しておきましょう。
内閣府が推奨する「一次品」の品目。
ゼリー飲料・非常食・お菓子(あめ、チョコ、クッキー等)・使い捨てカイロ・ティッシュ・ウエットティッシュ・救急絆創膏と包帯・マスク・おしりふき・レインコート・バンダナ・着替え・タオル軍手・携帯型ライト・笛・携帯トイレ・携帯ラジオと乾電池・給水袋(給水を受けるため) |
このほか、緊急連絡先や集合場所が記載された「防災手帳」を用意しておくと良いでしょう。
二次品~発生から3日間を自助で生き抜くための備え
画像出典:内閣府防災情報のページ
行政の救援・支援が届くまでに3日間ほどかかると言われています。これは行政機関の建物や職員自身も被災することで、災害発生直後からは思うように活動できないためです。
防災備蓄として、自宅内に家族の人数分の飲料水と食料を備蓄しておきます。
飲料水は、一人1日3リットルを目安に3日分用意します。食料は1日3食3日分と、生活必需品を用意しておきます。持病の薬、ペットフードなど必ず必要なものを網羅します。
内閣府が推奨する「二次品」の品目(飲料水・食料品以外)。
食器類・給水袋・タオル・医薬品・歯ブラシ・歯磨きシート・携帯トイレ・生理用品・トイレットペーパー・ビニール袋・ウエットタオル・消臭スプレー・使い捨てカイロ・応急手当テキスト・救急セット(消毒薬、ガーゼ、包帯等)・マスク・綿棒、脱脂綿・着替え・雨具・懐中電灯・乾電池・ロープ・マッチ・ライター・ロウソク・レジャーシート・ガムテープ・軍手・煙フード・万能ナイフ・避難ロープ・防災用ブランケット・ラジオ・貴重品・筆記用具・油性マジックペン |
これらを玄関やクルマのトランクなど、何カ所かに分散させて保管しておきます。
三次品~避難生活が長期化した際に生活をできるだけ快適に過ごす備え
画像出典:内閣府防災情報のページ
被災生活が長期化した際にもできるだけ快適に生活するための飲食品と生活必需品で、普段から多めに買い置きしている食料や生活必需品に非常食を加え、自宅内や物置などに分散して備蓄します。
例えば飲料水は、常に家族の人数×3L×1週間(または2週間)分をストックし、はじめに購入した者から使用してゆく(ローリングストック)ことで、いつ被災しても1~2週間分の飲料水を確保できるようにしておきます。
お米は貴重な水で洗う必要のない「無洗米」をストックします。人数分の1食1合を1週間(または2週間)分を用意しておきます。
内閣府が推奨する「三次品」の品目。
非常食(缶詰、レトルト食品、麺類、米、餅、お菓子等)・水・トイレットペーパー・ティッシュ・大型の簡易トイレ・食器・鍋、やかん・ガスボンベ・カセットコンロ・ランタン・テーブルと椅子・レジャーシート・寝袋・燃料・着火材・ライター・マット・段ボール・ポリタンク・テント |
ちなみに、4人家族の場合、1週間分の飲料水は84リットルとなり、2Lペットボトル42本、6本入り1箱で7ケース分です。米は84合=8升4合=12.6kgとなり、5kg入り2.5袋分です。
食料品は缶詰やレトルト食品、インスタント食品など保存のきくものを中心に、乾パンやアルファ米などの非常食も含めて、1日3食×1週間食べ繋げる分をストックします。
【ローリングストック】
画像出典:日本気象協会
ローリングストックとは、普段使用している飲食品を多めにストックすることで被災時に備えつつ、日常生活の中で賞味期限の早いものから消費しその分を新たに買い足すことで、常に賞味期限内の飲食品をストックしておく方法です。
常備品~外出時の被災のために常に持ち歩ける備え
画像出典:内閣府防災情報のページ
常備品とは、外出先で被災した際の備えとして常に携行する防災品を指します。
常に持ち歩くバッグやカバンの中にも、急場を凌ぐための軽い食品やグッズを備えておきましょう。
内閣府が推奨する常備品は以下の通りです。
ゼリー飲料・非常食(お菓子等)・扇子(夏季の暑さ対策)・ティッシュ・ウエットティッシュ・除菌剤・マスク・大判のハンカチ・笛・非常用覚書(貴重品リスト等)・我が家の防災マニュアル・煙フード・簡易トイレ・懐中電灯と乾電池・身分証明書・筆記具・携帯電話と充電器・現金(紙幣と硬貨) |
これらをすべて常に持ち歩くわけにはゆきませんが、このリストを参考に必要と思われるものをピックアップしてバッグ内に常備しておきましょう。
キャンプ用品を流用する
もし家族でアウトドアやキャンプを楽しんでいる場合には、アウトドアでの調理器具や食器、就寝時のインフレーターマットや寝袋などキャンプ用品を防災グッズに流用できます。
キャンプ用品はもちろん、火のおこし方、ケガなどの応急手当などアウトドアやキャンプの知識も活かすことができます。
いつでもキャンプに出かけられる準備をしておくことで、キャンプはもちろん、急な被災時にもその準備が役立つはずです。
100均で購入できるおすすめ防災グッズ10選
最近では、100均でも多彩な防災グッズをラインナップしており、安価なコストで防災対策が可能になっています。
本項では、「ダイソー」で購入可能な飲食品以外の防災グッズを紹介します。☆印はおすすめアイテムです。
衛生用品・感染防止アイテム
被災時の必需品ともいえる衛生用品や、避難所生活を前提にした感染防止アイテムです。
・ガーゼ、包帯、絆創膏、消毒液
・圧縮タオル ☆
・歯磨きセット
・マウスウォッシュ
・ボディシート ☆
・シャンプーシート ☆
・携帯簡易トイレ ☆
・除菌シート
・下着
・衛生用品≪女性向け≫
・スキンケア≪女性向け≫
☆圧縮タオル…タオルは何かと使う場面が多いですが意外にかさ張り備蓄しにくいグッズの1つです。圧縮タオルは小さく圧縮されているので大量にストック可能です。
☆ボディシート…被災中は入浴できない状況も続くのでボディシートを用意しておくと汗や汚れを拭うことが可能です。
☆シャンプーシート…被災中は思うように洗髪できないため、水を使わずにシャンプーできる「シャンプーシート」はぜひ備えておきたいグッズです。
☆携帯簡易トイレ…断水中はトイレは使えませんし、避難所のトイレは常に混雑しているため携帯トイレは必須アイテムです。最低でも1人1日3回×1週間分を用意しておきたいです。
就寝アイテム・避暑防寒アイテム
自宅内で眠れない状況下で必要なグッズです。
・アイマスク、耳栓
・エアピロー(まくら)
・簡易保温アルミシート ☆
・アルミ保温ブランケット
・シュラフ(寝袋) ☆
・レジャーマット(銀マット) ☆
☆アルミシート…熱を逃がさず保温効果が高いので、冬場の被災生活には必需品です。就寝時はもちろん、日中でも暖房が使えない場合に重宝します。
☆シュラフ(寝袋)・レジャーマット…温かく眠るための補助グッズとしてキャンプ用品の流用は良い方法です。簡易型で性能は限定的ですがダイソーでも購入可能です。
安全用品・作業用アイテム
・軍手
・ロープ
・緊急用給水バッグ ☆
・マルチツール ☆
・ライター
☆給水バッグ…断水が続く場合には給水車での水の支給が行われますが、水を受け取るためには器が必要です。畳んでコンパクトに収納でき、広げれば3リットルの水を入れることが可能です。
☆マルチツール…様々な道具が組み込まれているマルチツールが1つあると重宝します。
電池・電源関連アイテム
・懐中電灯
・災害備蓄用ライト ☆
・乾電池
・モバイルバッテリー ☆
・充電池・充電器 ☆
☆災害備蓄用ライト…電気不要で発光するので、電源も電池もない場所での灯りとして重宝します。
☆モバイルバッテリー、充電池・充電器…情報収集ツールとしてのスマホはバッテリーが切れれば使えないため充電が絶対に必要です。100均でもモバイルバッテリーを購入できますし、乾電池の代わりに充電池を使えば繰り返し使用することが可能です。
被災時でも電力の自給を目指そう
情報収集のためにスマホが必要と書きましたが、スマホは使えばバッテリーを消費するため、使うだけではいずれ使えなくなります。
100均でもモバイルバッテリーや充電池が購入可能であることを紹介しましたが、それも貯めている電気を使い切れば枯渇してしまうため、被災時には「電力の自給」が非常に重要です。
最も身近な電力自給の方法は、太陽光が当たれば無料で電力を生み出すことができるソーラーパネルによる太陽光発電です。
ソーラーパネルで発電した電力をポータブル電源に貯めておけば、必要な場所で必要なタイミングで電力を使用することができます。スマホやモバイルバッテリーの充電はもちろん、充電池に充電すれば、懐中電灯やラジオなどの電気製品も継続的に利用可能となります。
BLUETTIポータブル電源 EB3A
EB3Aはコンパクトな最小クラスのポータブル電源で充電容量268Whです。
ちなみに268Whは72,432.4mAhに相当しますので、一般的な5000mAhのモバイルバッテリー14.5個分に相当します。これは、5000mAhでスマホを1回フル充電できるとすれば14回(台)もフル充電できる電力量ということです。
被災時のあつさ・寒さを凌ぐ扇風機、電気毛布や電気ブランケット、ポータブル冷蔵庫の消費電力は50~70W前後、1.5~2合炊きの小型炊飯器は200~250W、ノートパソコンは100~150Wほどです。
EB3Aは、これらすべての電気製品を使うことが可能で、ソーラーパネルを組み合わせて太陽光発電することで、持続可能で再生可能な電力自給が可能となります。
100均の防災グッズ まとめ
大地震はいつ起こるかわかりません。また最近は台風の大型化強大化が懸念されており、その被害は拡大傾向です。
そんな災害に備えて防災備蓄・防災グッズの備えは重要ですが、なかなか時間をかけて向き合うことができない現実もあります。
しかし日々の生活の中で100均へ買い物に出かける機会は少なくないはずです。もし100均へ出かけることがあれば、防災を意識して少しずつでも防災グッズを買い集めてみてはいかがでしょう。