2023年1月の使用分から支給されてきた政府による電気・ガス料金の補助金は、2023年10月以降は半減となっています。
いまだ世界的なエネルギー価格の高止まりは続いており、補助金が終了する2024年5月以降はいっそうの電気料金の値上げが懸念されています。
今回は、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」に基づく政府の補助金について詳しく解説します。
なぜこんなに電気料金が高いのか?
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そもそも電気料金はなぜこんなにも値上がりして高止まりしたままなのでしょうか。
政府から補助金が出ているとは言っても、家計が楽になるほどの電気料金の値下げに繋がっている実感がありません。
なぜ電気料金は値上がりし高止まりしているのか、その原因や要因を探ってみましょう。
電力需要の回復と増大、産油国の生産量調整
2020年~2021年にかけては、コロナ禍によって世界の経済活動が鈍化し、エネルギー需要が激減した年でもありました。
また、2020年は暖冬だったこともエネルギー需要の落ち込みに拍車をかけていたところへコロナ禍後の急速な経済の回復に転じ、エネルギー需要が急増したことで価格高騰を招いています。
一方で、「石油輸出国機構(OPEC)」や、ロシアなどの産油国が参加する「OPECプラス」の枠組みにおいて『協調的減産』を決定したことに加え、一部の産油国では自主的な減産や輸出量の削減が行われています。
為替(円安)
我が国はエネルギー輸入国です。化石燃料のほとんどを輸入に依存する一方、国内の発電の7割以上を化石燃料を燃やす火力発電が占めており、世界的なエネルギー価格の高騰は国民生活に直結します。
さらに、海外からエネルギーを購入する際にはドルが必要ですが、為替レートが円安に振れればその分より多くの資金が必要となるため、円安も無視できない電気料金値上げの要因です。
託送料金
発電を行う電力会社から、一般家庭やオフィス・工場などに電力を届けるのは送電事業者です。
送電コストは、老朽化した送電設備のメンテナンスや建替え、新設などのコストが増大仕手いることに加え、メガソーラーや海上風力発電などの発電所が都市部の遠方に建設されるため送電距離が伸びていることも送電コストの上昇に繋がっています。
託送料金は今後も上昇を続けると予想されています。
再エネ発電賦課金
再エネ発電賦課金は、再生可能エネルギーによって発電された電力を電力会社が買い取る費用を、電力利用者が負担しているコストで、電気使用量1kWごとに1.4円(2024年)の負担となっています。
地球温暖化防止のためのCO2排出削減や、資源を持たないわが国でも国内で確保できるエネルギーとしての再生可能エネルギーへの転換が急務であり、そうした面からも再エネ発電賦課金は今後も増加すると見込まれています。
「電気・ガス価格激変緩和対策事業」とは?
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「電気・ガス価格激変緩和対策事業」とは、一般家庭や企業を対象に、高騰している電気代・ガス料金を国が支援する制度です。
政府は、令和4年度第2次補正予算において「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」として3兆円以上を計上、電気・ガス料金高騰の影響を受ける一般家庭や企業の負担を軽減するため、2023年1月分から電気・ガス料金の補助を行うことを決定しました。
この制度では、電力会社・ガス会社などの小売事業者などが国に申請し補助金を受けることで料金の値引きを実施するので、電気やガスを利用する一般家庭や企業・事業所が申請手続きを行う必要はありません。
補助金制度はいつから始まった?
「電気・ガス価格激変緩和対策事業」に基づく補助金は、2023年1月分から開始されました。
一般家庭向けの「低圧契約」の場合の電気料金補助金額は「7円/1kWh」です。
一般的な4人家族の場合、月間の電気使用量は300kWh~400kWhですので、補助金額は2,100円~2,800円ほどになります。
例えば東京電力で「従量電灯B」を30Aで契約している世帯が、月間400kWhの電力消費があった場合の基本料金込みの料金は「15,142円」ですが、補助金によって2,800円減額となり「12,342円」の請求となります。電気料金に対する補助金の占める割合はおよそ18.5%に相当します。
補助金制度はいつまで継続する?
補助金は2024年5月まで継続することが決定しています。
しかし補助金額は2023年10月分より半減して、現状は「3.5円/1kWh」となっています。
前項と同じケースでシミュレーションしてみると、東京電力で「従量電灯B」を30Aで契約している世帯の400kWh消費時の電気料金は「15,142円」で、3.5円/1kWhの補助金によって「1,400円」の減額となるので「13,742円」の請求となります。
2023年9月までと比べると補助金額は半減し、支払う電気料金額は「1,400円」の値上げということになります。
2024年の電気料金の値上げ見込み
2024年5月以降は、3.5円/1kWhの補助金終了によってさらに電気料金の上昇が懸念されています。
ここへきて一層の円安が進んでいることや、今後も託送料金や再エネ発電賦課金の上昇が見込まれることなども考え合わせると、今後、電気料金が値下げされることは期待できそうもありません。
自宅でできる電気料金削減対策
「電力自給」という言葉をご存知でしょうか。
文字通り、電力を自ら供給することを意味しその代表的な方法が「自家発電」です。
屋根などにソーラーパネルを設置して蓄電池に電力を貯めて自宅内の電力消費に当てることで、電力会社から購入する電気量(つまり電気料金)を減らすことができます。
国の電気料金補助金の額は、2023年1月~9月までは7円/1kWhでしたが、これを月間400kWhを消費する家庭に置き換えると、月額2,800円程度の減額となっていました。
この分を自家発電で賄うことができれば、2024年5月に補助金が終了しても、補助金が貰えていた時と同等の電気料金で済ませることが可能です。
ポータブル式ソーラーパネルで自家発電可能
上記のような大規模なソーラー発電システムは非常に高価で、簡単には設置できませんが、もっと手軽な方法で「自家発電」を行い、電気料金の削減を実現することが可能です。
「ポータブル電源」と「折りたたみ式ソーラーパネル」を使って発電・蓄電することで、家庭の電気料金を削減することができます。アウトドア向けにすでに購入している場合は、それを流用することで家庭の電気料金削減が可能です。
東京電力「従量電灯B」30A契約の場合、1日に2kWhを発電して家庭内の電力消費に当てることができれば、電気料金を約2,200円ほど削減することが可能です。
例えば、最大出力350Wのソーラーパネルを1日6時間、日向に置いて発電させると最大2,100Whの電力を生み出すことができます。1日2,000Whは月間30日で60kWhとなり、36.6円の単価で計算すると2,196円の電気料金に相当します。
折りたたみ式のソーラーパネルであっても、月間60kWhの電力を発電することが可能で、これを自宅内で上手に利用することで電気料金を約2,000円削減することができます。
おすすめポータブル電源とソーラーパネル
おすすめするのは、BLUETTIのポータブル電源「AC200L」と、ソーラーパネル「PV350」です。
BLUETTI AC200Lは2,048Whの蓄電量を持つ最新鋭ポータブル電源です。
安全性に優れ、充電サイクル3,000回超の長寿命を誇るリン酸鉄リチウムバッテリーを採用し、定格2,000W/瞬間最大6,000Wの出力を持つ大容量高出力ポータブル電源です。
AC200Lなら、貯めた電力を家庭内を自由に移動させながら毎日2,048Whの電力を使用しても、8年以上も高性能を維持し続けることが可能です。
また、最大出力350Wを誇る折りたたみ式ソーラーパネルPV350は、変換効率23.4%の高効率単結晶シリコン製ソーラーパネルです。