深夜の時間帯の電気使用量が多い方向けの電気料金プラン「スマートライフ」を紹介します。
東京電力エナジーパートナーが提供する「スマートライフ」は、オール電化住宅やエコキュートなどを設置した家庭向けの電気料金プランで、深夜の時間帯の電気料金が割安に設定されています。
今回は「スマートライフ」の特徴やメリット、デメリットなどについてまとめます。
東京電力「スマートライフ」とは
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東京電力エナジーパートナーは、オール電化住宅や電気温水器やエコキュートといった設備を持つ家庭向けに「スマートライフプラン」を提供しています。
前回紹介した中部電力ミライズの「スマートライフプラン」と名称は似ていますが、サービスの提供元や、サービス内容が異なるので混同しないようご注意ください。
東京電力エナジーパートナーが提供する「スマートライフ」には、契約状況によって3タイプのプランがありますが、いずれも夜間蓄熱式機器を使用し、キッチンや空調でも電気を使用する家庭におすすめのプランとなっています。
・スマートライフS
「スマートライフS」は、契約アンペア数が10~60Aを対象としたプラン
・スマートライフL
「スマートライフL」は、契約容量が6kVA以上を対象としたプラン
・スマートライフプラン
実際の電気使用実績に基づいて契約電力の大きさを決める契約プランですが、現在は新規加入受付を停止しています。
スマートライフSの料金
■基本料金
基本料金 |
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契約アンペア |
10A |
295.24円 |
15A |
442.86円 |
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20A |
590.48円 |
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30A |
885.72円 |
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40A |
1180.96円 |
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50A |
1476.20円 |
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60A |
1771.44円 |
■電気量料金
電力量料金 (1kWh) |
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スマートライフS |
午前6時〜翌午前1時 |
午前1時〜午前6時 |
35.96円 |
28.06円 |
実際の電気料金は、契約アンペアごとの基本料金に、実際に使用した電気量に応じた料金を加算した金額となります(表示は税込)。
スマートライフLの料金
■基本料金
基本料金 |
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契約電力1kWにつき |
474.50円 |
■電気量料金
電力量料金 (1kWh) |
||
スマートライフL |
午前6時〜翌午前1時 |
午前1時〜午前6時 |
35.96円 |
28.06円 |
基本料金+電気量料金の料金の仕組みは同じですが、基本料金が474.50円となっています。電気量料金はスマートライフSと同等です。
スマートライフプランの電気料金
■基本料金
基本料金 |
|
契約電力1kWにつき |
474.50円 |
■電気量料金
電力量料金 (1kWh) |
||
スマートライフプラン |
午前6時〜翌午前1時 |
午前1時〜午前6時 |
35.96円 |
28.06円 |
スマートライフプランの基本料金は474.50円となり、電気量料金と合わせた額が請求されます。ただし、スマートライフプランはすでに新規受付を終了しています。
午前1時から午前6時までの時間帯の電力量料金(1kWhあたりにかかる料金)が割安に設定されています。午前6時~翌午前1時までの料金の約22%OFFとなっています。
また、別途「燃料費調整額」が加算されます。「燃料費調整額」は、請求のタイミングでの平均燃料価格により毎月変動する調整額となります。
スマートライフ」の契約方法と料金支払い方法
【契約方法とスマートメーター】
スマートライフS・スマートライフLの契約は、東京電力エナジーパートナーの公式WEBから簡単に申しこむことができます。
スマートライフの両プランを利用する場合は、必ず「スマートメーター」が必要となり、現状のメーターがスマートメーターでない場合には交換工事が行われます。設置費用は原則無料で、交換工事は数分~数十分で完了しますが交換工事への立ち合いは不要です(鍵がある場合は開錠が必要)。
【料金支払い方法】
料金の支払い方法は以下から選択することができます。
・口座振替
・クレジットカード
・振込用紙
・SMS(SMSに請求情報が届く)
口座振替やクレジットカード、SMSには手数料はかかりませんが、「振込用紙」を希望する場合には発行手数料220円(税込)が毎月必要となります。
スマートライフのメリット
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スマートライフSまたはスマートライフLを契約することのメリットは以下となります。
夜間の電気代が安い
スマートライフSもスマートライフLもいずれも深夜1時~午前6時の深夜帯5時間の電気料金が割安に設定されており、電気料金が安い時間帯に電気温水器やエコキュートなどを使用する場合や、オール電化住宅向けのプランとなっています。
ポイントが貯まる
スマートライフS・スマートライフLでは、毎月ログイン時や電気料金に応じてポイントが貯まります。
電気料金1,000円に対して5ポイントが付与(0.5%還元)され、貯まったポイントは、1P=1円換算で、Tポイント・dポイント・Ponta・WAON・nanaco・auポイント・Amazonギフトカード等に交換可能です。
またポイントを料金に充当することも可能です(別途申し込みが必要)。
無料で住宅設備修理サービス
スマートライフ・スマートライフL加入世帯は、エコキュート、電気温水器、IHクッキングヒーターなどの対象電化設備が自然故障した際に、無料で修理サービスが受けられる「住宅設備修理サービス」を利用可能です。
対象機器は、設置・購入から10年以内(中古品の場合は製造から10年以内)であれば何台でも何回でも修理を受けることができ、修理代金最大50万円(税込)まで追加料金がかかりません。さらに24時間365日、修理受付が可能です。
解約手数料・解約違約金がかからない
スマートライフS・スマートライフLの契約期間は、契約成立日から契約者が解約するまでの期間ですが、契約中での解約や新電力会社への切り替えなどを行った場合でも、契約違反に問われることはなく、解約手数料や解約違約金といった費用を請求されることはありません。
他のプランと比較してみる
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東京電力エナジーパートナーが提供する電気料金プランには、スマートライフの他にも夜間の電気料金を割安に設定したプランがあります。
夜間の電気料金を割安に設定しているプランを比較してみましょう。
スマートライフプランと夜トクプランを比較
単身者などに向けた「夜トク」も夜間の電気料金を割安にしています。
「スマートライフ」は割安な深夜電気料金を活用できる電気温水器や蓄電池、エコキュートなどの機器を所有している家庭向けのプランであるのに対して、「夜トクプラン」は、単身者や共働き夫婦など、日中は留守にすることが多い人向けのプランで、特定の機器の使用は求められません。
スマートライフS |
夜トクプラン(夜トク8の場合) |
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基本料金 |
295.24円~1771.44円 |
230.67円 |
電気料金 |
昼間…35.96円 夜間…28.06円 |
昼間…42.80円 夜間…31.84円 |
料金単価で見ると、スマートライフの方がずっと割安ですが、単身者や共働き夫婦世帯で、温水器やエコキュートなどを所有していない場合の電気使用量はさほど多くならないため、実際の支払金額は「夜トク」の方が安くなるケースがあります。
割安料金の適用時間にも違いがあります。
スマートライフ |
夜トク8 |
夜トク12 |
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昼間の時間帯 |
午前6時~翌午前1時 |
午前7時~午後11時 |
午前9時~午後9時 |
夜間の時間帯 |
午前1時~午前6時 |
午後11時~翌午前7時 |
午後9時~午前9時 |
スマートライフとくらし上手プランを比較
画像出典:東京電力エナジーパートナー
「スマートライフ」はオール電化住宅向けを謳っていますが、「くらし上手」は、オール電化住宅でさらに太陽光発電システムを導入した場合におすすめの料金プランという位置づけです。
くらし上手S |
アンペアブレーカ(電流制限器)または電流を 制限する計量器による契約(10A~60A) |
くらし上手L |
主開閉器(漏電遮断器など)の容量に応じた 6kVA以上の場合の契約 |
くらし上手X |
ブレーカの容量によらず、電気のご使用実績に基づき、契約の大きさを毎月決定します |
内容 |
基本料金 |
電力量料金 |
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①定額料金 120kWhまで |
②従量料金 120kWh超過 |
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くらし上手S |
契約電流が 60A以下の場合 |
2,555.44円/月 |
3,694.40円/月 |
30.92円/kWh |
くらし上手L |
契約容量が 6kVAの場合 |
2,555.44円/月 |
3,694.40円/月 |
30.92円/kWh |
契約容量が 7〜10kVAの場合 |
4,092.40円/月 |
3,694.40円/月 |
30.92円/kWh |
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契約容量が 10kVAをこえる場合 |
4,092.40円/月 +超過1kVAにつき 409.24円 |
3,694.40円/月 |
30.92円/kWh |
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くらし上手X |
契約電力が 4kW以下の場合 |
2,564.68円/月 |
3,694.40円/月 |
30.92円/kWh |
契約電力が 5〜8kWの場合 |
4,929.36円/月 |
3,694.40円/月 |
30.92円/kWh |
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契約電力が 8kWをこえる場合 |
4,929.36円/月 +超過1kWにつき 616.17円 |
3,694.40円/月 |
30.92円/kWh |
「くらし上手」は電気量料金が120kwhまで定額なので割高に見えてしまいますが、スマートライフも実際の使用電気量を含めた料金はさほど大差ありません。
ポータブル電源とソーラーパネルのお手軽節電術
夜間の電気料金を割安にする料金プランを利用するには、夜間料金の安さを活かせる機器の導入が必要ですが、もっと低予算で電気料金を節減する方法もあります。
ポータブル型の蓄電池とソーラーパネルがあれば、日中に自家発電した電力を貯めておいて夜間など帰宅後に利用することで、電力会社から購入する電気量を減らし電気料金を節減することが可能です。
例えば、最大出力350Wのソーラーパネルを日の当たる場所に5.5時間出しておけば約2,000Wの電力を生み出し、ポータブル電源に貯めておくことができます。
それは、1日あたり2,000Wの電力消費量を減らし、その分の電気料金を節減していることになります。
大規模な太陽光発電システムは高額な投資が必要ですが、まずは手軽な設備で太陽光発電を体験してみることをおすすめします。
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東京電力スマートライフまとめ
今回は、電気温水器や蓄電池、エコキュートなどを備えた家庭や、オール電化住宅向けの電気料金プラン「スマートライフ」を紹介しました。
割安になる時間帯によって「S」「L」2タイプから選択できるので、ご自身の生活パターンに合わせたプランをチョイスすることで効率よく電気料金をコントロールできそうです。