この記事では電流(A:アンペア)と電圧(V:ボルト)について解説します。また、電流と電圧をかけ合わせることで計算できる消費電力(W:ワット)や、電気代の計算のために必要な電力量(Wh:ワットアワー)についても解説。電気に関する基礎知識や節電に向けた考え方がわかるのでぜひご覧ください。
電圧(ボルト)とは
電圧(ボルト)とは、電気を押し出す力(圧力)のことです。ポンプで水を押し出すとき、強い圧力をかけるとより大きな量の水を流すことができます。同様に、電圧も強い圧力をかける(ボルト数が大きくなる)と、より多くの電流を流せる仕組みです。
単位としては「V」と表記し、イタリアの物理学者、アレッサンドロ・ボルタに由来しています。
日本では電力会社から供給される電圧は保たれており、一般家に供給される場合は基本的に100Vです。小規模な工場や商業施設など、電気を多く使う場合は200Vで供給され、200Vまでを低圧電力と呼びます。
さらに学校や大型の商業施設、工場などでは6,600Vで提供されます(高圧電力)。高圧電力はそのまま利用することはできないため、実際に設備内で利用する際にはキュービクル式高圧受変電設備(キュービクル)を用いることで、一般的に使用できるように電圧を下げているのです。
日本の家電製品は一般的に100Vで使うことを想定して作られていますが、海外では電気が100Vで供給されているケースは少なく、多くの国では110〜240Vまでの幅があります。
電流(アンペア)とは
電流(アンペア)とは電気が流れる量、具体的には1秒間に流れる電気の量のことです。単位は「A」と表記し、フランスの物理学者アンドレ=マリ・アンペールから名称を取っています。
電圧はポンプを水で押し出す圧力のようなものと説明しましたが、電流は水を流すことができるポンプの管のようなイメージ。管が太いほど多くの水が流せるのと同様に、電流が大きい(アンペア数が大きい)ほどに多くの電気を流すことが可能です。
電力会社と契約する際、多くの会社では「契約アンペア数」を採用しています。つまり、電力会社が供給する最大アンペア数を決めた上で契約し、利用者はその範囲内で電気を使うことができるのです。契約アンペア数が大きい方が同時に多くの家電を動かすことができますが、アンペア数が大きくなるほどに基本料金は高くなる傾向にあります。
同時に電気を使っている総量が契約アンペア数を上回るとブレーカーが落ちてしまいます。もし、日常的にブレーカーが落ちるようであれば、必要な電気に利用量に対して契約アンペア数が少ない可能性が高いと言えるでしょう。契約の目安としては一人暮らしの場合20~30A、複数で同居している世帯であれば40~60Aが平均的です。
電流と電圧から消費電力(ワット)が計算できる
単位 |
意味 |
役割 |
|
ボルト |
V |
電圧 |
電気の強さ |
アンペア |
A |
電流 |
電気が流れる量 |
ワット |
W |
消費電力 |
消費する電気エネルギー |
ワットアワー |
Wh |
電力量 |
使った電気エネルギー |
電圧と電流について解説しましたが、これら考え方から消費電力であるワット(W)や電気代の計算に用いることが多いワットアワー(Wh)について考え方や計算方法を解説します。
消費電力(ワット)
ワットは一定時間の中で消費される電気エネルギー量のことを差します。単位は「W」で、由来は発明家の発明家のジェームズ・ワットです。
家電製品には基本的にワット数の表示があります。このW数がそれぞれの家電製品を動かすのに必要な消費電力です。W数が大きい製品ほど多くの電力を消費する一方で、機能は高い傾向にあります。近年では機能を一定レベルに保ちながらも消費電力を抑えた「省エネ家電」も製造されています。
なお、消費電力(W)は電圧(V)と電流(A)をかけ合わせることで計算することが可能です。
消費電力(W)=電圧(V)×電流(A)
これらの式から同様に以下の数字を求めることも可能です。
電圧(V)=消費電力(W)÷電流(A)
電流(A)=消費電力(W)÷電圧(V)
家庭において、一般的に電圧は100Vなので、この式は電流を求める際に使うのが実用的です。
例えば、1,000Wの電子レンジを使う場合の電流は以下のように計算できます。
電流(A)=1,000W÷100V=10A
20Aの契約であった場合、電子レンジの使用で半分を使っていることになります。電子レンジやドライヤー、ケトルなど家電の中でも消費電力の大きい家電を同時に使っていて、ブレーカーが落ちてしまった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
同様に60Wの電球の電流は以下の式で求められます。
電流(A)=60W÷100V=0.6A
電力量(ワットアワー)
ワットアワーは実際に使った電力量のことで、単位は「Wh」です。1Whは1Wの電力を1時間使った場合の電力量を表します。単位が大きくなると、1000Whを「1kWh」と表記します。
ワットアワーを用いることで、電気料金を計算することが可能です。1ヶ月で使った全ての家電製品の総電力量を計算し、電力会社が販売している電気の単価とかけ合わせることで、電気代の従量課金部分を求めることができます。
例えば、電気料金単価が「税込27円/kWh」で、月間の総使用電力量が100kWhの場合、電気代は以下のように求めることが可能です。
電気代=100kWh×27円=2,700円
家電製品の電気代の目安を計算する方法
これまで解説した知識を前提に、家電製品の電気代を実際に計算してみましょう。上記同様、電力料金単価は「税込27円/kWh」を用います。
ドライヤー(1000W)
まず、ドライヤーを使う場合の電気代です。ドライヤーは消費電力の大きな家電製品ですが、髪を乾かしている間などしか使わないため、使用時間は長くはありません。例えば、1日に6分間、毎日使用しているとすると1ヶ月の電気代は以下のように計算することができます。
1日の消費電力=1,000W÷(60分÷6分)=100Wh
1ヶ月の消費電力=100Wh×30日=3000Wh(3kWh)
ここに電気料金単価をかけると1ヶ月にかかる電気代を計算できます。
3kWh×27円=81円
電球(60W)
次に、部屋の電球のケースで見てみましょう。電球は消費電力が小さい一方で、つけっぱなしにしている必要があります。1日8時間つけている場合で考えてみましょう。
1日の消費電力=60W×8=480W
480Wh×30日=14400Wh(14.4kWh)
同様に電気料金単価とかけると、1ヶ月の電気代が求められます。
14.4kWh×27円=388.8円
電気代を節約できるポータブル電源
電流、電圧、消費電力を見ながら家電製品を選んだり電気の使い方を工夫することで電気代を抑えることができます。一方で、そもそも電気を電力会社からの購入以外の方法で調達することで、そもそも電気代の支払い自体を抑えることも可能です。
太陽光パネルや自家発電システムを本格導入するには大きなコストがかかりますが、ポータブル電源であれば比較的安価に導入が可能です。
AC200L
【仕様】
容量 2,048Wh
出力 2,000W
重量 28.3kg
本体サイズ 420mm × 280mm × 366mm
AC2000Lは様々なシーンで使いこなすことができる便利なポータブル電源。容量が2,048Whと大きいため、同時接続で複数の製品を並行して使うことが可能です。
太陽光パネルを用いて充電しながら、同時に機器を動かし続けることができるので、賢く活用すると電力会社からの電気の購入を大幅に抑えることができます。
また、サイズや大きさも比較的コンパクトで、車に搭載しての持ち運びに適しているため、アウトドアや最大対策など幅広い用途での活用が可能です。
まとめ
電圧と電流、およびそこから計算できる消費電力や電力量について解説しました。普段なにげなく使っている電気ですが、仕組みは意外と単純です。
完全に暗記する必要はありませんが、これらの原理を理解しておくと、家電選びや電気の契約のプラン選択、節電の方法など様々な場面で役に立つので、ぜひポイントを抑えておいてください。
電気代の節約にはポータブル電源の併用もおすすめです。BLUETTIでは利用シーンに合わせたポータブル電源を多数用意していますので、興味のある方はぜひご覧ください。