初心者でもできる!キャンピングカー電源DIYでかなえる快適車中泊

夜の高速を走り切って、静かな駐車場に車を停める。天井のライトをつけて、冷蔵庫から冷たい飲み物を取り出し、スマホを充電しながら一息つく――そんな時間を支えるのが、キャンピングカーの電源システムです。この記事では、電気が苦手な方でも「これなら自分でもやれそうだ」と感じられるように、基本の考え方からDIY手順、走行充電やポータブル電源の活用法まで、できるだけ現場感のある形でまとめました。

キャンピングカー電源DIYで広がる車中泊の自由度

水辺に停めたキャンピングカーの車中泊風景

車中泊の準備をするとき、多くの人がまず考えるのはベッドや収納ですが、実際に旅に出てみると「電気が足りない」「スマホの充電が追いつかない」といった悩みが先に来ることが少なくありません。照明、冷蔵庫、PC作業、冬の電気毛布、夏の小型扇風機…どれも「なくても何とかなる」けれど、「あると圧倒的にラク」なものばかりです。

市販のフル装備キャンピングカーを買うのも一つの手ですが、電源まわりを自分で組むと、必要な機能に絞ってコストを抑えられますし、「ここにコンセントが欲しい」「電子レンジはあったほうがいい」といった細かい希望も反映できます。

キャンピングカーの電源システムは、おおまかに次の三つの役割に分けて考えると整理しやすくなります。

  • 電気を貯める:サブバッテリーやポータブル電源
  • 形を変える:DCをACに変換するインバーター、電圧を整えるDC-DCコンバーター
  • 補給する:走行充電用の充電器、外部電源からのAC充電器、ソーラーパネル用コントローラー

近年は、これらを一台にまとめたポータブル電源が主流になっています。バッテリー、インバーター、保護回路が一体化しているため、配線の失敗が少なく、DIYの入り口としても扱いやすい存在です。

容量と出力は「1日の使い方」から逆算する

キャンピングカー電源の容量と出力を説明する図

「どのくらいの容量があれば足りるのか」は、多くの方が最初に悩むポイントです。難しい計算をする必要はなく、ざっくりとしたイメージでも十分役に立ちます。

1日のうちに使いそうな電気製品を書き出し、おおよその消費電力と使用時間をメモしてみましょう。たとえば、

  • 小型冷蔵庫:100W程度で、コンプレッサーのオンオフを考えて「1日あたり12時間分」
  • 室内照明:合計20Wで5時間
  • ノートPC:80Wで3時間

とすると、「100W×12時間+20W×5時間+80W×3時間=約1,540Wh」といった具合です。ここに天候の悪化や予備分を足して、1日あたり2,000〜2,500Whくらいを目安にすると、実際の運用にも余裕が生まれます。

バッテリーは、近年主流となっているリン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)がおすすめです。多少深く放電しても劣化しにくく、サイクル寿命が長いため、長期的に見れば買い替え頻度を抑えられます。一般的なリチウムイオン(NMC)と比べて発火リスクが低く、安全性が高い点も特徴です。車中泊のような密閉空間で使用する際には、特に安心感があります。

出力(W数)は「同時にどれだけ使うか」で決めます。電子レンジと電気ケトルを同時に使うなら2,000W以上、小型エアコンも視野に入れるなら3,000Wクラスが現実的です。たとえば、大容量のポータブル電源であるBLUETTI Apex 300のように約2.7kWhの容量と3,200Wの定格出力があれば、キャンピングカーのメイン電源としてかなり余裕のある構成にできます。


DIY設置の流れを「作業日記」感覚で分解する

キャンピングカー電源DIYの作業計画書や記録用紙

配線図を見た瞬間に挫折しそうになる方も多いですが、やること自体はそれほど複雑ではありません。ざっくりとした作業の流れを、日記風に追ってみます。

1日目:計画を立てる

  • 旅のスタイル(週末中心/数週間のロングトリップ/テレワーク兼用など)を書き出す
  • 必要な電力量と、実際に積めるスペース・重量を確認する
  • 100V配線や穴あけが必要になりそうなら、事前にディーラーや電装店に相談しておく

2日目:設置場所を決める

  • バッテリーやポータブル電源は、ベッド下や収納ボックスなど、熱がこもりにくくメンテしやすい位置を選びます
  • インバーターを別置きする場合は、放熱と振動対策を考え、床やフレームにしっかり固定します
  • 機種によっては取付ボルトの推奨締付トルクが12〜14N·m程度と指定されていることもあるので、説明書をチェックしつつトルクレンチを使うと安心です

3日目:配線と保護部品の取り付け

  • バッテリーの近くにヒューズやブレーカーを入れ、ショート時のリスクを軽減します
  • 長距離を配線する箇所は、電圧降下を防ぐために太めのケーブルを選ぶとトラブルが減ります
  • エンジンルームの高温部分や可動部分を避けながら、配線を保護チューブで覆って固定します

4日目:試運転と微調整

  • まずは照明などの低負荷機器からテストし、異音や異常発熱がないか確認します
  • ポータブル電源の画面やアプリで、入出力の値を見ながら「この家電はこれくらい電気を食うんだな」と感覚をつかんでおくと、その後の運用がずいぶん楽になります

DIYチェック前の安全確認リスト

ほんの少しの確認でも、配線トラブルや故障を防げます。作業を始める前や通電する前に、以下のポイントをチェックしましょう。

  • +(プラス)と−(マイナス)の接続が正しくできているか
  • 接続端子に緩みがなく、コネクターがしっかり固定されているか
  • 使用しているヒューズやブレーカーの容量が機器に合っているか
  • 作業中または使用中に、火気・高温部が近くにないか
  • ケーブルが車両の可動部や熱のこもる場所と干渉していないか

何か違和感があれば、無理に通電せず、一度電源をオフにしてから見直すようにしましょう。

ここまで聞いて「やっぱり不安だな」と感じる方もいると思います。その場合は、走行充電や100V配線など難易度が高い部分だけ専門店に任せ、コンセントの位置決めやポータブル電源の設置は自分で行う、といった折衷案も十分アリです。

走行充電とソーラーで「どこまでも行ける」電源をつくる

キャンピングカーの走行充電システムとソーラー充電の説明図

旅を重ねるほどありがたみを感じるのが、走行中に勝手に充電してくれる走行充電システムです。エンジンに接続されたオルタネーター(発電機)の電力を利用して、サブバッテリーやポータブル電源に電気を送り続けてくれるので、長距離ドライブ後にはバッテリーがしっかり満たされた状態で目的地に到着できます。

この走行充電を効率よく行うための機器が、オルタネーターチャージャーと呼ばれる製品です。なかでも新モデルとして登場するBLUETTI Charger 2 Alternator chargerは、12月上旬発売の最新機種で、車両バッテリーとソーラーパネルの二つの入力をまとめて管理できるのが特徴です。

  • 走行中は車両側から最大約800Wでポータブル電源へ充電
  • 停車中や走行中にソーラーパネルから最大約600Wの発電を追加
  • 合計最大約1,200Wの高出力で、短時間でもしっかり蓄電

というイメージで、文字どおり「どこまでも行ける、電力をこの手に」というコンセプトにふさわしい性能になっています。

さらに、ポータブル電源側から車両バッテリーへ電気を戻す「反充電」にも対応しており、出発前に室内灯をつけっぱなしにしてしまった…というときの保険にもなります。専用アプリから入出力や温度をチェックできるので、車内にいながら充電状況を把握できるのも安心です。


よりシンプルに始めたい方には、1系統入力で最大約560Wに対応したBLUETTI Charger 1 Alternator chargerのような入門機も選択肢になります。Charger 1とCharger 2は同じハーネスを使えるため、最初はシンプルな構成で試し、後から上位モデルに載せ替える、といったアップグレードもしやすい設計です。

走行充電に、キャンプ場や自宅のコンセントからのAC充電、屋根上のソーラーパネルを組み合わせると、キャンピングカー全体が「走る発電所」のような存在になります。Apex 300クラスのポータブル電源と組み合わせれば、長期のバンライフでも電気残量の心配がかなり減ってくるはずです。


シーン別のおすすめ構成と製品の使い分け

キャンピングカーでの野営スタイルとペットのイメージ画像

同じ機器でも、使い方によって「ちょうどいい組み合わせ」は変わってきます。いくつか代表的なシーンを想像してみましょう。

  • 週末の車中泊と自宅の停電対策を両立したい

大容量ポータブル電源(Apex 300クラス)を1台用意し、ふだんはリビングでスマホやノートPCの充電、非常用のバックアップとして使います。週末になったらそのまま車に積み替え、照明や冷蔵庫、ケトルの電源として活用。自宅と車中泊で同じ機器を使うので、操作に迷いがありません。

  • 長距離移動+野営スタイルのバンライフ

BLUETTI Charger 2 Alternator chargerで走行充電とソーラーを併用し、移動中にしっかり充電しておきます。到着後は外部電源のないキャンプ場でも、冷蔵庫や照明、PC作業を安心して続けられます。

  • 電装DIYは最小限に抑えたい

Charger 1で走行充電だけプロに施工してもらい、あとはApex 300を車内の取り出しやすい場所に置いておくスタイル。照明やUSB機器はポータブル電源から直接取り、どうしても必要な家電だけ延長コードでつなぐと、配線の難易度をぐっと下げられます。

どの構成でも共通しているのは、「中心にポータブル電源を置き、そのまわりに走行充電やソーラーを足していく」という考え方です。最初から完璧なシステムを狙うより、「まずはこの組み合わせで一度旅に出てみる」と割り切ったほうが、自分に合う形が見えやすくなります。

メンテナンスと安全面で気をつけたいポイント

キャンピングカー電源のメンテナンスと安全確認のポイント説明図

電源まわりは、一度組んで終わりではありません。といっても難しいことをする必要はなく、次のようなチェックを時々しておくだけでもトラブルをかなり防げます。

  • 端子やコネクターが緩んでいないか、白く腐食していないか
  • ケーブルの被覆に擦れや断線の兆候がないか
  • ヒューズやブレーカーの容量が機器の仕様に合っているか
  • 走行中に機器が動かないよう、固定が甘くなっていないか

ポータブル電源側にアプリが用意されているモデル(Apex 300など)の場合、バッテリー残量や入出力、温度を普段から見える化しておくと、「最近いつもより減りが早いな」といった細かな変化にも気づきやすくなります。

100V配線や車体への大きな加工は、保安基準や車検にも関わります。不安がある部分は専門店に相談し、「自分でできる範囲」と「プロに任せる範囲」を切り分けることも、安全なDIYの重要なコツです。

フェーズフリーな電源で、旅と日常をつなぐ

道路を走る黄色のキャンピングカーのイメージ画像

最後に、キャンピングカー電源を考えるうえで意識しておきたいのが「フェーズフリー」という考え方です。これは、平常時と非常時のあいだに境目を作らず、普段から使い慣れた道具がそのまま災害時にも役に立つようにしよう、という発想を指します。

キャンピングカー用に整えた電源システムも、まさにその代表例です。週末の車中泊では冷蔵庫や照明、スマホ充電を支える「旅の相棒」として働き、いざ停電が起きたときには自宅に持ち込んで家族の電気を守るライフラインになります。同じポータブル電源と充電器を日常的に使っていれば、非常時にも迷わず扱えるので、余計なストレスや不安を減らせるでしょう。

BLUETTIのポータブル電源や、Charger 1・Charger 2のようなオルタネーターチャージャーを組み合わせれば、キャンピングカーから自宅まで、ひとつながりのフェーズフリーな電源環境をつくることができます。

まずは紙とペンを用意して、「自分の車でどんな一日を過ごしたいか」を書き出してみてください。そこで見えてきたシーンに合わせて、少しずつ機器をそろえ、配線を整えていく。そうやって育てた電源システムは、きっと長く付き合える心強いパートナーになってくれるはずです。

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