テレビの固定方法と選び方|地震時のリスクを減らす対策とは?

地震の際、テレビなどの家電や家具の転倒・落下が原因で怪我をするケースは少なくありません。特に大型の液晶テレビは重量があり、一度倒れると大きな被害につながる可能性があります。

本記事では、地震時にテレビが転倒する危険性や実際の被害データを紹介し、確実に対策できる固定グッズの選び方や設置方法を解説します。

適切な地震対策を講じることで、大切な家族や自宅の安全を守ることが可能です。「どの対策が最適なのか?」「賃貸でもできる方法は?」といった疑問にもお答えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

地震時にテレビが転倒するとどうなる?リスクと対策を解説

地震時に横倒しになったテレビ

地震が起こった際にテレビが横倒しになった場合、どのようなリスクが想定されるでしょうか。具体例としては主に以下の3点が挙げられます。

・倒れたテレビのディスプレイが体を直撃する
・床に散らばった破片により負傷する
・テレビが上から落ちて下敷きになる

また、実際に過去の地震ではどれくらいの人がテレビなどの家具の転倒によって怪我をしてしまったのでしょうか?詳細を順番に見ていきましょう。

地震による怪我の約半数は家具や家電の転倒が原因

日本は世界有数の地震大国であり、いつ大きな揺れに見舞われるかわかりません。過去の大地震を調査した東京消防庁のデータでは、負傷の原因として「テレビや家具の転倒・落下・移動」が約30〜50%を占めるというデータがあります。

また、内閣府もテレビや家具が倒れるほどの大地震が、近い将来発生する可能性があるとして、防災対策の重要性を呼びかけています。こうしたリスクを考えると、家庭内の転倒防止策をしっかり講じておくことが、地震時の安全確保につながると言えるでしょう。

過去に発生した大規模地震における家具・家電の転倒・落下・移動が原因のけが人の割合

地震名(発生年) けが人の割合
熊本地震(一般住宅)(2016年) 29.2%
岩手・宮城内陸地震(2008年) 44.6%
新潟県中越沖地震(2007年) 40.7%
能登半島地震(2007年) 29.4%
福岡県西方沖地震(2005年) 36.0%
新潟県中越地震(2004年) 41.2%
十勝沖地震(2003年) 36.3%
宮城県北部地震(2003年) 49.4%

出典:東京消防庁「熊本地震アンケート調査(戸建住宅編)」(平成29年3月)

転倒したテレビの液晶が直撃!負傷リスクとは

テレビが倒れた際に特に多いリスクは、ディスプレイが砕け散る点です。近年の大型で薄い機種は、しっかりした台があっても上部の重さが原因でバランスを崩しやすく、地震時に容易に転倒しがちです。

また、テレビは一般的にテレビ台などの家具の上に設置されます。転倒が起これば高い位置から床へ落ちるため、ディスプレイが壊れるリスクもさらに大きくなるでしょう。

視聴中に倒れた場合、破損したパネルの破片が床で飛び散って体を直撃し、深刻なケガを負う恐れがあります。

床に飛散したガラス片による怪我に注意

地震で転倒し、破片が飛散したテレビ

テレビの破片は体を直撃するだけでなく、床一面に飛散すると誤って踏むなどの二次被害を招きかねません。

掃除の際に指先を切ってしまうリスクもあるため、こまめな注意が求められます。特に大画面の液晶テレビほど破損面積が大きいため、一層の警戒が必要です。

テレビが落下するとどうなる?下敷きになる危険性

テレビの転倒において非常に危険なのは、人が下敷きになる事態でしょう。特に幼い子供は画面に夢中でテレビに接近しやすく、揺れた際に避けられない危険が増します。

加えて、近年の大画面テレビは子供を覆うほどのサイズがあります。衝撃による重量ダメージだけでなく、割れたパネルも大きな危害を及ぼすかもしれません。万が一、頭上に落ちれば切り傷を負う可能性もあり、事前に十分な備えが欠かせません。

大型液晶テレビの衝撃は想像以上!重量と危険性を検証

薄型で軽快なイメージを持つ液晶テレビですが、一例として一般的に40インチ前後の製品は約20kgの重さがあります。たとえ数十キロのテレビでも、大きな揺れで倒れれば、一瞬で何倍もの重圧が加わるのです。テレビのサイズ次第では、瞬間的に100kgを超す圧力が生じ、幼い子供には危険と言えます。

ブラウン管の時代より装置は軽くなりましたが、大画面化が進んだぶん安定性に欠け、倒れる危険はむしろ増しています。こうした大型の液晶テレビが倒れた際に、いかに重大な危険があるか想像できるでしょう。

実は知られていない?テレビの転倒防止策の重要性

これほどリスクがあるにもかかわらず、実際にはテレビの倒壊を防ぐ手段が存在することを知らない人が少なくありません。国民生活センターがネットで転倒防止策に関するアンケートを実施した結果、その実態が浮き彫りになったのです。その結果、「転倒防止策があると知らなかった」という回答が37.8%に上り、もっとも多い割合を占めていました。

さらに「対策は知っているが実施していない」も合わせると、約7割がテレビの転倒対策をしていないと判明しました。逆に「転倒対策を実行している」と回答したのは約3割程度であり、テレビの転倒防止策がいかに軽視されているかがうかがえます。

地震対策に必須!テレビの転倒防止・固定グッズの選び方

地震対策用のテレビ固定グッズ

テレビが転倒する危険性をご理解いただけたかと思いますが、しっかり食い止めるためには、的確な対策が欠かせません。地震からテレビを守る手段として、転倒防止用のグッズが市販されています。ここでは、地震が起きてもテレビが倒れないようにするための製品選びについてご説明します。

テレビの転倒を防ぐための対策グッズを、タイプ別に分けて解説します。

製品カテゴリー 価格帯 特徴
穴あけ不要タイプ 1,500〜4,000円 最も簡単に導入できる。賃貸でもOK。ベルトやワイヤーなら強力な固定も可能。
ネジ穴固定タイプ 1,500〜8,000円 テレビを壁に直接固定でき、最も安定感がある。インテリア性も抜群。
壁寄せスタンドタイプ 15,000〜40,000円
テレビを壁に直接固定し、最も安定感がある。スペースを有効活用できるが、工事が必要。

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

壁に穴を開けずに設置できる転倒防止アイテム

壁に穴を開けたくない方や、賃貸物件に住んでいる方に適した転倒防止グッズのタイプです。

このタイプには、以下のようなアイテムがあります。

  • 耐震マット
  • 固定ベルト
  • 耐震ポール
  • 耐震ストッパー

これらのグッズは、地震対策に効果的でありながら、取り付けや取り外しが簡単なため、模様替えや引越し時にも便利です。壁を傷つけることなく、安全な環境を整えられるのが魅力ですね。

製品カテゴリー 価格帯 特徴
耐震ジェルマット(6枚入り) 1,500円〜 貼るだけで設置可能。壁や家具を傷つけず、賃貸にも最適。小型〜中型テレビ向け。
ベルトタイプ 1,500円〜 テレビの背面と台を固定し、転倒を防ぐ。取り外しが簡単で、賃貸でも使用可能。
ワイヤー 2,000円〜 テレビを壁や家具に固定し、強力に支える。大型テレビの地震対策におすすめ。
耐震ポール 4,000円〜 伸縮可能なポールでテレビを支える。突っ張り式で壁に穴を開けずに設置できる。

これらのアイテムの中で、テレビを購入した際に同梱されていたものがあれば、まずはそれを使うと良いでしょう。付属品がない場合や、より万全に固定したい場合は、次に示す方法を参考にしてください。

取り付け簡単!手軽にできるテレビ転倒対策: 耐震ジェルマット

耐震ジェルマットを使用したテレビ転倒対策

出展:サンワサプライ公式サイト

最も導入が容易な転倒防止策としては、耐震ジェルマットが挙げられます。テレビのスタンド裏面に貼り付けて、そのままテレビ台に置くだけで、吸着力によってテレビを安定させることが可能です。

テレビを少し持ち上げて、スタンドの裏に貼るだけなので手順も難しくありません。耐震ジェルマットを選ぶ際には、なるべく強度の高いモデルを選択すると安心です。特に震度7まで対応できるジェルマットも販売されているため、検討してみてください。

確実にテレビを固定するならこの方法がベスト: ベルトタイプ

テレビをベルトやワイヤーで固定する方法

出展:サンワサプライ公式サイト

耐震ジェルマットのみでは心許ないと感じるなら、ベルトやワイヤーでしっかり固定する方法がおすすめです。テレビ背面とテレビ台をベルトで結んだり、同様にテレビ背面から壁へワイヤーを伸ばす形が一般的でしょう。

いずれもビスの取り付けやワイヤーホルダーの設置など、ある程度の作業が必要となるため手間はかかります。しかし、その分ガッチリとテレビを固定できるので、安心感が格段に高まります。

賃貸でもOK!壁を傷つけずにできる転倒防止策

賃貸で使用可能なテレビ転倒防止策

出展:平安伸銅工業株式会社 公式サイト

賃貸物件にお住まいの方は、壁に穴を開けられないなどの制約があるため、耐震ジェルマットか、穴あけ不要のポールタイプを利用すると良いでしょう。

ポール式の製品でも、テレビ背面とテレビ台を固定しつつ、テレビ台後方を挟むホルダーが備わっているので、壁や台を傷つける心配がありません。伸縮可能なモデルならば、テレビの大きさに応じて長さを調節できます。

もちろん、耐震ジェルマットだけでも一定の対策にはなるため、最低限の安全策として検討する価値はあるでしょう。

滑りを防ぐ!耐震ストッパーでテレビの安全を確保

耐震ストッパーを使用したテレビ固定方法

出展:サンワサプライ公式サイト

耐震ストッパーは、テレビの底部に取り付けて揺れを吸収し、滑りを防ぐアイテムです。設置が簡単で、取り外しも容易なため、手軽に転倒対策を実施できます。

さらに、耐震ストッパーは家具やテレビ台のデザインを損なわず、穴あけ不要のため、賃貸住宅でも使用可能です。

また、複数の耐震ストッパーを組み合わせて使用することで、より高い安定性を確保できるのもポイントでしょう。

最も安心な転倒防止策!万全な対策をするには?

テレビの転倒を徹底的に防ぎたい場合は、耐震ジェルマットと他のグッズを併用するのが最も効果的です。特に震源が近い地震では、激しい縦揺れと横揺れが同時に発生することがあります。

ベルトやワイヤーは強力に固定できるものの、縦揺れにはやや弱く、衝撃でテレビが浮き上がってしまう可能性があります。この問題を防ぐために、耐震ジェルマットと組み合わせて使用することで、縦揺れにも強い安定した固定が実現できます。

ネジ穴を活用した本格的なテレビ固定方法

ネジ穴固定タイプのテレビ転倒防止グッズは、しっかりとした固定を求める方に最適です。このタイプには主に「壁面設置」と「固定ベルト」の2種類があります。

ネジ穴固定タイプは耐震性に優れているため、地震の多い地域や大型テレビの設置におすすめです。

ただし、取り付けには工具が必要な場合が多いため、あらかじめ準備をしておくとスムーズに作業が進むでしょう。確実な固定を求める方には、この方法が適しています。

壁に直接取り付け!壁面設置のメリットと注意点

テレビを壁面に設置する方法

テレビを壁に直接固定する方法で、地震による揺れにも強いのが特徴です。壁面に設置することで転倒のリスクを大幅に減らせるため、安全性の高い方法と言えます。

設置にはあらかじめ壁にネジ穴を開ける作業が必要になりますが、その分、テレビの揺れが抑えられ、特に地震の多い地域や高層マンションでの使用に適しています

さらに、壁面設置はスペースの有効活用にもつながり、テレビ周りをすっきり見せる効果も期待できます。

設置する際は、壁の材質や強度を確認し、専用の取り付け具を使用することが重要です。

壁や家具にしっかり固定できるベルト式対策

テレビの背面から壁や家具にベルトを張り、ネジでしっかり固定することで、揺れによる転倒を防ぎます。

特に大型テレビ向けの対策として適しており、耐久性の高い素材を使用した製品を選ぶことで、より安定性を確保できます。

60インチ以上の大型テレビはどう固定する?壁寄せスタンド!

地震対策と空間の有効活用を両立したい方には、壁寄せスタンドがおすすめです。また、固定ベルトは取り外しが簡単で、テレビの移動時にも便利です。

メーカーによって違いはありますが、60インチクラスの液晶テレビは約30kg前後の重量があり、揺れの影響を受けやすくなります。壁面設置金具は非常に頑丈な構造になっており、大型テレビを壁にしっかり固定すれば、激しい揺れでも落下するリスクをほぼゼロにできます。

壁に穴を開けるなどの工事が必要になるため、事前に設置可能かどうかを確認しておくことが重要です。また、壁への穴あけが不要な商品もあるため、賃貸住宅でも導入しやすいのが特徴です。さらに、スタンドには高さ調整機能や安定性を向上させる設計が施されているため、リビングや寝室など幅広いシーンで活用できます。 

設置の際は、壁や家具が十分な強度を持つ素材であることを確認しましょう。設置時には、ベルトがしっかり張れるよう、固定具の位置を正確に調整することが重要です。

家庭で取り組む地震への備え

大きな地震がいつやって来るかは誰にも正確には分かりません。しかし、いつかは必ず来るものだと想定して準備をしておくことで、被害を最小限に抑えることができます。ここでは家庭で取り組める具体的な防災対策を紹介します。

非常袋に入れるべき基本アイテム(食料・水など)

防災用の食料や水が入った非常袋

まず基本となるのが防災グッズです。「最低7日分の食料・水は必ず確保しておく」ことが推奨されています。災害時にはライフラインが途絶えやすく、コンビニやスーパーも営業停止に陥る可能性があります。普段からレトルト食品や缶詰、水のペットボトルなどをローリングストック方式で備蓄しておけば、いざという時に慌てずに済むでしょう。

医薬品も忘れずに備蓄する

医薬品も大切な備えです。常備薬や救急セット、絆創膏、消毒液などをまとめて1つの防災バッグに入れておくとスムーズに持ち出せます。体質的に特別な医薬品が必要な方は、必ず忘れずに準備してください。災害時は通常の医療体制が整わないことも多いため、十分な量をストックしておくと安心です。

備蓄の新常識:ポータブル電源を準備する

ポータブル電源の外観

そして近年注目を集めているのがポータブル電源です。大地震で停電になると、照明やスマホの充電、簡易的な家電の使用などが困難となりますが、ポータブル電源があれば、電気ポットや電気毛布といった家電も使える可能性があり、寒さや空腹をしのぐことができます。容量や出力の異なる製品が多いため、家庭の必要に合わせて選び、もしもの時に備えておきましょう。ソーラーパネルと組み合わせれば外部電力に頼らない独立電源としても期待できます。

停電しても安心して暮らせるように。おすすめのポータブル電源

地震が発生すると、停電によってテレビが視聴できなくなる可能性があります。テレビからの情報は、災害時に適切な判断をするために欠かせないものです。そんな時に役立つのがポータブル電源です。

ポータブル電源とは、あらかじめ電気を蓄えておき、災害時やアウトドアなど電源が使えない環境でも、スマホや生活家電に給電できる大容量バッテリーのこと。

特に地震時の停電対策として、一台備えておくと安心です。

ポータブル電源は、テレビ視聴以外にも、以下のようなシーンで活躍します。

・冷蔵庫を稼働して食材を保管できる

・スマートフォンやノートPCの充電ができる

・電子レンジを使い、温かい食事を作れる

・扇風機や電気ストーブなどの冷暖房器具が使える

このように非常時の生活を支える多機能な電源として、大きなメリットがあります。

そこで今回は、地震対策としておすすめのポータブル電源をご紹介します!

BLUETTI AORA 100 大容量ポータブル電源 | 防災推奨 |1152Wh、1800W

BLUETTI AORA 100 大容量ポータブル電源

日本語表示の画面とポート、ボタンにより、初心者でも直感的に操作でき、幅広い年齢層に優しい設計です。地震や台風などの災害の際、AORA 100のUPS機能は停電をわずか20msで感知し、内部バッテリーから電源供給を開始します。長期間の停電でもスマートフォンを最大18日間、電力供給できるので安心。Charger 1を使えば、車で避難する間に560Wで充電可能。ソーラーチャージも可能で、避難所でも太陽光を電力に変換してためておく事ができます。

BLUETTI AORA100 大容量ポータブル電源 |1152Wh、1800W

AORA100ポータブル電源は、大容量1152Whで幅広い家電に対応し、停電時やアウトドアでも安心して使える頼もしい電源です。初心者にも優しい日本語表示と簡単な操作性で、家庭でも非常時でも手軽に利用できるのが特徴です。

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まとめ

地震の際、テレビの転倒は重大な怪我や被害につながる可能性があります。特に大型液晶テレビは重量があり、一度倒れると避けるのが難しいため、事前の転倒防止対策が不可欠です。本記事では、転倒防止グッズの選び方や設置方法、さらには停電時に役立つポータブル電源の活用法について解説しました。

今こそ備えのタイミングです。 「まだ大丈夫」と思わず、今日からできる対策を始めましょう。適切な防災対策が、あなたと大切な家族の安全を守ります。

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