この記事では停電が起きた時に有効な対策方法や、逆にやってはいけいない行動について解説します。冷蔵庫の中の食品を守る方法や、その他に停電時に注意すべきポイント、停電時に備えておきたいおすすめアイテムについても紹介しているのでぜひご覧ください。
停電時の冷蔵庫の保冷時間は2~3時間
冷蔵庫は電源供給が止まっても、扉を閉じたままにしておけば2〜3時間程度は庫内の温度を保つことが可能です。それ以上の時間が経つと、温度は次第に上昇し常温に近づきます。
そのため、停電が起きてしまった際、2~3時間以内に復旧するのか、それ以上かかるのかによっても対応は変わると言えるでしょう。
なお、冷凍庫は扉を閉じたままにしておいた場合、常温になるまで18~36時間程度です。
停電時にやってはならないNG行動
停電時、冷蔵庫の食品を守るにあたって適切でない行動をとってしまうと、何もしない状態よりもさらに温度を上げてしまい、傷みやすくする原因となってしまう場合があります。停電時に取るべきでないNG行動について見ていきましょう。
頻繁にドアを開け閉めする
停電時は冷蔵庫のドアを開けるべきではありません。一度ドアを開き、外気を入れると温度が一気に上昇してしまうためです。扉を閉めたままであれば2~3時間は温度を保てますが、一度扉を開けてしまうと保冷能力は一気に下がります。
どうしても必要なものを取り出す、大事なものを保冷力のある別の場所に移し替えるなど、やむを得ない場合を除いてはドアの開け閉めは行わないことが重要です。
クーラーボックスに食品を移す
停電時、食品の移動場所としてクーラーボックスを用いることは奨励されません。クーラーボックスは氷や保冷剤を入れても冷えるまでには時間を要するためです。そのため、クーラーボックスに移すために冷蔵庫を開けて移動する時間で食品の劣化が進んでしまう可能性の方が高いでしょう。
クーラーボックスに移すよりは冷蔵庫の扉を開けず、そのままにしておいた方が食品が長持ちする可能性が高いです。
停電が起きた後に注意すること
停電が起きた後、復旧した後にも注意すべきことがあります。特に気を付けたいポイントについて2つ見ていきましょう。
鮮度の劣化が激しいものは廃棄する
停電が長時間にわたると、冷蔵庫の中の食品の温度は上がっていき、最終的には常温で保存しているのと同じ状態になります。
生の肉や魚などの生鮮食品、特に消費期限の近いものについては色や臭いなど状況を慎重に確認し、場合によっては廃棄した方がよいかもしれません。特に夏場は常温の温度が高く、食品が傷んでいく速度も速いため注意が必要です。
もしくは停電が起き、長時間復旧する見込みがない場合、カセットコンロやポータブル電源とIHヒーターなどを使って調理してしまうことも考えられます。
冷蔵庫内からの水漏れに注意する
食品に対する中も重要ですが、水漏れにも注意が必要です。冷蔵庫・冷凍庫は温度が上がってしまうと製氷機の氷や冷却装置の霜、冷凍食品が溶けることで発生する水などが原因となり、水漏れが起こってしまうことがあります。
水漏れの放置や床の傷みやカビなどの原因ともなってしまうため、停電時、復旧後は水漏れが起きていないか冷蔵庫周辺をよく確認するようにしましょう。
停電時への対策や備えておきたい準備
停電には計画停電のように事前に対策できるもの、雷の警報など事前に停電が起きる可能性を想定できるもの、地震など想定が難しいものがあります。
様々なケースの停電に備えるための対策や準備について解説します。
ドライアイスを使う
ドライアイスは二酸化炭素を凍らせた固形物で約-79度の非常に低温の物質です。停電時、冷蔵庫の上部にタオルや紙に包んだドライアイスを入れておくと長時間庫内の温度を保つことができます。目安として4kgのドライアイスを用意すれば庫内の温度を12時間程度維持することが可能です。また、ドライアイスは溶けても気化するため、水漏れなどの心配もありません。
ただし、ドライアイスは非常に低温なため家庭の冷凍庫で保管することが難しいです。そのため、計画停電で先に停電することがわかっている時には有効ですが、急な停電の場合は停電が起きてからドライアイスを用意しなければなりません。
保冷剤を使う
冷蔵庫の中の温度を保つにあたって保冷材も有効です。保冷剤の保冷力はドライアイスには及びませんが、冷凍庫で凍らせておくことができるため日常から備えて置けるため利便性は高いと言えるでしょう。また、保冷剤がない場合、水を入れたペットボトルを凍らせておけば代わりになります。
停電が起きたら保冷剤を冷凍庫から取り出し、冷蔵庫の上の方に置いておくことで冷蔵庫の温度の上昇を遅らせられます。
冷蔵庫は隙間をあける、冷凍庫は隙間を作らない
普段からできる対策として、冷蔵庫に物を入れすぎないことが挙げられます。物が詰まっていると冷気が対流しにくくなることで冷蔵効果が弱まってしまうためです。停電で冷気が供給されなくなってしまうと庫内の温度上昇が早まってしまう原因になりかねません。
普段から冷蔵庫内には食材を詰め込みすぎず、適度に間を空けた状態を保っておくことをおすすめします。
一方で、冷凍庫の場合は食品を隙間なく詰めていた方が長時間温度が低い状態を保つことができます。
蓄電池やポータブル電源を使う
蓄電池やポータブル電源を備えておけば、停電時にも冷蔵庫・冷凍庫に接続することで冷却機能を取り戻し、使い続けることができます。
冷蔵庫や冷凍庫は長時間機能が停止していると中の食品が傷んでしまうため、停電時に対応する優先順位が高い家電製品です。しかし、長時間停電が続くと他の家電製品を利用できないことによる不便さも大きくなります。
停電などの緊急事態に備えて蓄電池・ポータブル電源を常に備えておくと冷蔵庫・冷凍庫に限らずあらゆるケースに備えることができます。
冷蔵庫にも使える!停電対策におすすめのポータブル電源
停電など災害への備えとしてはポータブル電源がおすすめです。冷蔵庫に活用するのにもおすすめのポータブル電源を2つ紹介します。
AC180
容量 1,152Wh
出力 1,800W
同時接続数 8
重量 16kg
本体サイズ 340mm × 247mm × 317mm
AC180は軽量・コンパクトながらも1,152Whの大容量のポータブル電源です。電源が充電されている状態であれば120Wの冷蔵庫を接続し、7~14時間動かし続けることが可能。大半のケースの停電においては対応することができます。
また、約16kgと持ち運びにも便利なため、大きな災害時には持って避難し、避難所での電源供給手段としても活躍が期待できます。
災害時の必須の備えとして推奨されるポータブル電源です。