この記事ではアンペアとワットの計算方法や考え方、関係性について解説します。アンペア数からワット数を求めようとした際、考え方を理解していると数字を暗記する必要はありません。基本的な考え方や日常生活に役立てる方法を解説しますので、ぜひご覧ください。
1アンペアは100ワット!(※100ボルトの場合)考え方・計算式を解説
ワット(消費電力)の大きさを計算するには以下の式を用います。
ワット= アンペア(電流)× ボルト(電圧)
日本では、電力会社が供給する電圧は決まっており、家庭に供給される場合は一般的に100ボルト(V)です。
従って、以下の計算をすることができます。
1アンペア×100ボルト=100ワット
一般的な家庭においては1アンペアは100ワットと考えればよいでしょう。
ただし、上記は電圧は一般家庭の「100ボルト」であることが前提です。工業用の電圧は200ボルトの場合もあるため、計算式が代わってきます。
アンペアとワットの計算式で用いるボルトによって数字が変動するため「1アンペアは何ワット」に関する絶対的な答えはないことにご注意ください。
主な家電製品のアンペアの目安
100ボルトの環境下で利用することを前提に、主な家電製品のアンペアの目安について見ていきましょう。
|
アンペア数 |
エアコン |
6畳用:5~6A 10畳用:10~19A |
冷蔵庫 |
3.5~7.5A |
炊飯器 |
1.5A |
IHコンロ |
9~14A |
ドライヤー |
12A |
電気ケトル |
12.5A |
実際のアンペア数は使用する製品や使用環境によっても大きく異なるため、あくまで目安程度にお考え下さい。
アンペア・ワット・ボルト・ワットアワーの基本的な意味と考え方の違い
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単位 |
意味 |
役割 |
アンペア |
A |
電流 |
電気が流れる量 |
ワット |
W |
消費電力 |
消費する電気エネルギー |
ボルト |
V |
電圧 |
電気の強さ |
ワットアワー |
Wh |
電力量 |
使った電気エネルギー |
アンペアとワットおよびボルトの計算式について解説しましたが、改めてそれぞれの意味や役割について解説します。さらに電気料金の計算に役立つ「ワットアワー」についても見ていきましょう。
アンペア(電流)
アンペアとは、電流のことです。具体的には1秒間に電気が流れる量を表し、単位は「A」と表記します。
アンペアが電力を使うにあたって最も重要なのは電力会社との契約アンペア数です。多くの電力会社は契約プランの中でアンペア制を採用しています。例えば20Aのプランの場合、同時に使用することができる電流の総量が最大20Aです。契約の目安としては一人暮らしならば20~30A、複数人で食わしている場合は40~60A程度が一般的な水準と言えるでしょう。
家電製品を動かすには、先述の通りのアンペア数が目安となります。同時に動かしている機器の総アンペア数が契約アンペア数を上回るとブレーカーが落ちてしまいます。
ワット(消費電力)
ワットとは消費電力のことです。一定時間のなかで消費される電気エネルギー量を表し、単位としては「W」と表記します。
家電製品や電球には基本的にこの「W」の記載がされています。同じ用途の製品であってもWの数字が大きい方が多くの電力を消費するため、同じ時間使った場合の電気代は高いです。一方で、電力消費が大きい分、製品としてのスペックは高い傾向にあります。
最近では「省エネアイテム」としてW数が少なくても効率よく機能するアイテムも人気です。
ボルト(電圧)
ボルトとは電圧、つまり電気を押し出す力のことです。単位としては「V」と表記します。
電圧が強い(ボルトの数字が大きい)と、多くの電気を流すことが可能です。
国内では電力会社が供給するボルト数が決まっています。一般家庭においては100V、工場などの設備においては一般的に200Vです。先ほど説明した通り、ボルト数が変わると同じ電力消費の製品を使う場合でもアンペアが異なります。
ワットアワー(電力量)
ワットアワーは実際に使った電力量のことです。単位は「Wh」と表記します。「1Wh」は1ワットの電力を1時間使った電力量を意味します。単位が大きくなると、「kWh」で表記され、1kWh=1,000Whです。
ワットアワーは主に電気料金の計算に用います。それぞれの家電製品のワット数と実際に使った時間から、各アイテムが使用した電力量が計算できます。
全ての電力量の総数に電力会社が設定した単価をかけることで1ヶ月の従量課金の分の電気料金を計算することが可能です。
アンペア・ワット・ボルトから家電製品の電気代の目安を計算する方法
アンペア・ワット・ボルトに加えてワットアワーの考え方によって電気代を計算することが可能です。実際の家電に当てはめて電気代の計算方法を解説します。
なお、基準とする電気料金単価として「税込27円/kWh」で計算します。
家電製品の電気料金の計算方法
- ドライヤーの電気代の計算方法
ドライヤーの消費電力を1000W(100Vで扱う場合10A)とします。ドライヤーは髪を乾かすときのみ利用するため、1日に動かす時間を6分と仮定します。
すると、ドライヤーの1日あたりの消費電力は以下の式で求めることが可能です。
1日の消費電力=1,000W÷(60分÷6分)=100Wh
1か月を30日とすると、月間での総利用量は
100Wh×30日=3000Wh(3kWh)
と計算できます。
1kWhあたりの27円の電気代がかかるため、1か月の総額は
3kWh×27円=81円
と計算することができます。
ドライヤーは消費電力が大きいですが、動かしている時間は短いため月々の電気代もそれほど多くはかかりません。
- 電球(60W)の計算方法
次に、60W(100Vで扱う場合0.6A)の電球の1ヶ月の電気代を計算してみましょう。仕事から帰ってから就寝まで、1日8時間つけていると仮定します。
すると、1日の消費電力は以下の通りです。
1日の消費電力=60W×8=480W
1か月30日で月間の総利用量を計算すると、
480Wh×30日=14400Wh(14.4kWh)
の数字が得られます。
1kWhあたりの電気代は27円なので、
14.4kWh×27円=388.8円
と計算することができます。
電気代を節約できるポータブル電源
電気代を節約する方法の一つとしてポータブル電源を併用することが挙げられます。家庭の電力消費の供給を一部でもポータブル電源から供給することにより、電力会社から購入する電気の量を減らすことが可能です。
AC200L
【仕様】
容量 2,048Wh
出力 2,000W
重量 28.3kg
本体サイズ 420mm × 280mm × 366mm
AC2000Lは幅広い用途で活躍する、非常に使い勝手の良いポータブル電源です。
2,048Whの大容量は同時接続で複数の家電を動かし続けることが可能です。太陽光パネルとの接続で太陽光から充電が可能なため、コストや手間を抑えて太陽光発電が始められます。
サイズや重さも比較的抑えられており、車での持ち運びには便利なため、災害対策やアウトドアでの活用まで、1台持っていれば様々な用途で活躍します。
まとめ
アンペアとワットおよびボルトやキロワットアワーの計算方法や考え方について解説しました。アンペアとワットは決まった数字で変換できる単位同士ではなく、ワット数をボルト数で割ったものがアンペア数です。家庭では100Vが一般的であるため、 1A=100Wと計算できます。
同時に使用できる機器を考える際や、契約アンペア数を検討する際、電気代を計算する際にご活用ください。
気軽にできる節電方法としてポータブル電源がおすすめです。BLUETTIでは持ち運びに適したコンパクトなタイプから、本格的なバックアップ電源になる大容量タイプまで様々なポータブル電源を扱っているので、ぜひご覧ください。